農業と土地利用の問題についての現況
- 毎年9千万人以上の人口が増加する一方で、毎年2百億トンの表面土壌が失われつつある。
- 2050年までに世界の食糧需要は、現在の3倍になるであろうと予想される。
- 世界中で毎年25億kg以上の殺虫剤が使用されている。開発途上国ではその15%が
使われ、それらの国々では、毎年約375,000件(全世界の半数以上)の
中毒事件が発生している。
- 開発途上国に輸出されている殺虫剤の多く--DDT、クロルデン、ヘプタクロル
など--は、生産国では健康上、環境上の理由により使用が禁止されている。
- エチオピアでは、土壌侵食により、毎年150万トンの穀物生産能力が失われている。
これは、1985年の飢饉の時に、同国に援助された食糧に相当する量である。
- インドでは、毎年60億トンの貴重な土壌が失われており、以前ソビエト
連邦であった東ヨーロッパと中央アジアでは25億トンの土壌が失われている。
- アフリカでは1984〜1985年の旱ばつの際、1千万人の農民が土地劣化を
直接原因として環境難民になった。
- 地球的規模でみると、1961年以降単位面積あたりの小麦、米、トウモロコシの
生産量は着実に増加している。しかし、この増加は、おそらく人口の増加には
追いつけないであろう。
- 開発途上国の都市は、すでに限度間近まで膨張しているにもかかわらず、
毎年、さらに8千万人以上を受け入れなければならない。その多くは
故郷の環境劣化を理由に都市に移動する人たちである。
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