大気の問題についての現況
- 大気に含まれる炭素の量が増加し、地球の平均気温が上昇している。
代表的な温室ガスである二酸化炭素(CO2)に地球温暖化の約60%の責任がある。
- ブラジルとインドの2つの開発途上国を含む6ヵ国の総排出量は、
地球全体の55.8%を占め、米国の排出量が最大である。
- 成層圏オゾンは太陽からの紫外線を吸収し、地表に生物が生存可能な程
度にそのレベルを保っている。このオゾン層が、人類の造りだした化学物
質により消失しつつある。
- 大気汚染は国境に妨げられず、発生源から遠くはなれた地域
の農業や生態系に影響を与えている。
- 二酸化硫黄(SO2)濃度が、世界保健機構(WHO)の指針値を超える都市地域に、
6億人以上が生活している。また、浮遊粒子状物質(SPM)濃度が許容レベルを超える
都市地域に、1.25億人以上が生活している。
- 一般的に、大都市において、単一汚染物質として最も脅威となっているのはSPM
である。著しく高濃度のSO2とSPMが次の5都市で観測されている:
北京、メキシコシティー、リオデジャネイロ、ソウル、上海。
- 比較可能なデータが得られる都市のうち、メキシコシティーが全体的に
最も大気汚染がひどい。
- 工場から上空に排出された汚染物質は、しばしば酸性雨となって地上に
戻る。世界資源研究所(WRI)によれば、ヨーロッパでは酸性雨により、すで
に、全森林の22%(214,016,000ヘクタール)を失った。英国だけでも森林の
約57%(2百万ヘクタール以上)が損傷を受けている。この現象は、
非持続可能な工業化の世界的拡大とともに広がりつつある。
すべての写真、文、イラストの著作権は国連環境計画に帰属します。(c)1996