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3.参考までに、例えばこんなプログラム

 次に環境学習をテーマとしたプログラムの組み方の事例を紹介します。初めの事例は休日や祝日など限られた時間に実施するものとして、1日ないしは2日〜3日で行われる短期プログラムです。次に紹介するのは、2002年に実施される「総合的な学習の時間」を意識してつくられた長期プログラムの事例です。
 尚、ここであげたものはあくまでも「展開例」ですので、実際に行うときにはこのまま実施するのではなく、目的や対象、また実施場所に応じてプログラムを組み立てて下さい。

1)短期プログラムの展開
 短期プログラムの事例としては、福井県内で活動している「自然観察指導の会」と「ふくい緑ネイチャーゲームの会」の事例を元に作成したプログラムをご紹介します。

(1)自然観察を用いたプログラム

里山の自然観察
8:30 集合
9:00 あいさつ
野外へ移動
9:30 活動1「大きく見る」
10:00 活動2「細かくみて、名前をつける」
11:00 室内へ移動
11:20 活動3「図鑑を調べ、名前や四季の変化を知る」
11:50 ふりかえりとまとめ
12:00 解散


タイトル:里山の自然観察

目的:自然全体に眼を向け、広い心(マクロの眼)を養う
 身近な自然に眼を向け、興味を(ミクロの眼)を湧かせる
 五感(体全体)をフルに用いて、いつもとは違う方法で、自然をとらえる。
 1人でも自然観察をしてみようという気持ち(自主性)を養う
対象:自然の好きな一般の人
場所:野外→室内へ移動
時間:日中、2〜3時間

活動1 森全体を見てみよう
<手順>
1.森全体が見渡せる場所に移動します。
2.観察時間をとった後、それぞれが感じた森の特徴と自分の名前をひとりひとり発表してもらいます。
注:このときの発表のポイントとしては次のものが考えられます。
 「森全体を、近い場所、中くらいの場所、遠い場所にわけてください。
 それぞれの樹の色や形にはどんな特徴がありますか?」
 「森全体を見て、何か変わったことや気づくことはありますか?」
 「生き物の気配はしますか?」


<ねらい>
 緊張感をほぐす。
 参加者同士知り合う
 森を遠景からとらえ、その構成を実感する。
 いつもとは違う視点で森を観察する。
 人それぞれ、ものごとの捉え方や見方が違うということに気づく。
山のイラスト

<ポイント>
 すぐに森へ入らないで、一度全体を眺めることにより、森全体の構成をとらえることができます。このとき、参加者の言葉に付け加える形で、樹種の違い、構成要素の害、自然が育まれた歴史的背景や森の生態系(生産者・消費者・分解者)
 なども解説すると、森への興味が一層深まるかもしれません。


活動2 自分だけの名前をつけよう
<手順>
1.森の中へ移動します。
2.遠くからとらえた森の特徴を今度は細かく観察することを説明します。
3.参加者それぞれに、なんでも好きなもの(例:野草、樹木、虫、鳥、動物の痕跡)を観察してもらい、感じた特徴をノートにメモ、またはスケッチしてもらいます。
注:観察のポイントとして、「色、形、臭い、音、手触り」などをいれるとよいでしょう。
 観察した内容をもとに,創造力を働かせて、特徴を活かした名前をつける。

4.それぞれが観察したものを発表しあいます。
注:この時、自分で創造した生活史を一緒に発表すると面白いでしょう。

<ねらい>
 五感を用いてじっくり森を観察する。視点の違いを認識する。
 創造力を養う。森の構成要素を知る。

<ポイント>
 参加者が観察しているものの名前を知っていても、創造力のさまたげになるので、その名前を言わないで下さい。同時に、観察したものを採取しないことも注意して下さい。


活動3 調べてみよう
<手順>
1.室内に移動します。
2.自分が観察したものについて、図鑑で調べます。名前がわかったら、名前の由来も調べてもらいます。
3.観察したものの名前、由来、四季の変化を発表します。

<ねらい>
「調べる」作業を通じて、自分が観察したものについて、一層の興味をもってもらう。図鑑の調べ方を身につける。


問合せ先:自然観察指導員の会
〒910-0021 福井市乾徳2-3-2 矢村様方
TEL/FAX 0776-25-5910


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