(3)びわ湖・ミュージアムスクール
琵琶湖博物館では、平成11年度のモデル事業として、「びわ湖・ミュージアムスクール」を実施しました。これは博物館が、博物館の特色を生かしたテーマに基づき、学校教育を支援するプログラムです。
「びわ湖・ミュージアムスクール」は、学校と連携を保ちながら、「湖と人間」を考える総合的な環境学習をめざし、博物館を体験学習の場として位置づけ、子どもたちの探求活動を支援することを目的としています。
「びわ湖・ミュージアムスクール」の特徴は、博物館の3つの理念を活かして学校・博物館・地域を巻き込んだ活動を進めることにあります。
「びわ湖ミュージアムスクール」をまとめた活用集の作成には、博物館学芸員,びわ湖・ミュージアム検討委員会、各校の先生を中心に作業が進められました。
活用集から全体概要を抜粋したものを次ページに掲載します。
びわ湖・ミュージアムスクール 小学校編
[1]タイトル「身近な魚たちについて調べてみませんか」
[2]テーマ
どんな魚がいるのか(種類・体のつくり、生活など)
人々とのかかわり(過去・現在・未来)
魚たちにとってすみよい環境とは
[3]学習をすすめる上での6つのステップ
ステップ1
オリエンテーション
1.「滋賀県にすむ魚たち」の話
2.おもしろ生き物体験「さわってみよう、感じて見よう」| ステップ2
地域学習
1.近くの川や池の生き物探検 | ステップ3
博物館体験学習
1.テーマごとの体験活動
体のつくりと食べ物を調べよう(観察、解剖)
プランクトンを調べよう(採集、観察)
うろこを調べよう(顕微鏡で観察)
ひれを調べよう(標本・泳ぎ方の観察)
歯について調べよう(アユ、オオクチバス、コイ)
とり方を調べよう(タツベ、モンドリ、投網)
2.魚と人々との関わりについて展示学習
A展示室 化石と固有種
B展示室 魚と人々の歴史
C展示室 近年の漁業や魚
水族展示室 魚の泳いでいる様子
3.体験学習のまとめ
質問コーナー、図書室を利用| ステップ4
地域の人のお話を聞こう
1.地域の魚についての話し
お年寄りの人や魚にくわしい人から、昔の魚つかみの様子や今の現状について話しを聞く。| ステップ5
学習のまとめをしよう
1.いままでの学習とまとめ
2.意見交流会
3.新聞づくり| ステップ6
発表しよう
1.発表会
お世話になった地域の方やおうちの人を招待
2.ホームページで世界に発信
モデル校のひとつでは、5年理科「魚のたまごの成長」という単元の学習として行いました。以下は児童達の反応です。
ステップ1
学芸員からいろいろな生き物のおもしろさや飼育方法を聞いたり、さわったりする。以外と初めてさわるものが多く、歓声があがる。
ステップ2
ステップ1で学習した生き物たちが、自分の地域では、どうなのか探検しようということで「川の生き物探検」、プランクトンネットの作成、漁業センターの見学などをする。
ステップ3
10のテーマに分かれ、実習と体験に取り組む。学芸員の支援のもとに発見シートに観察結果を書いたり、テーマについてわかっことなどを書き込む。さらに新たな発見について質問をするなど、学芸員との交流も深めていた。
ステップ4
地域の年輩の人に話を伺う。真珠や昔のつり道具や写真を目にしながら、熱心に話に耳をかたむける。琵琶湖とともに生きてきた話しを聞くことにより、単なる知識ではなく、人の生き様や生き方を学ぶことができた。
ステップ5
学習のまとめとして、保護者の人や話を聞かせていただいた方を対象に発表会を行う。
ステップ6
最後に学芸員が講評を行う。