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2)日本における環境教育の流れ

(1)公害対策教育と自然保護教育から環境教育へ
 日本の環境教育は、公害対策教育と自然保護教育からはじまりました。
 第二次世界大戦後の日本は急速な発展をとげましたが、その陰では公害問題が深刻な事態を迎えていました。中でも水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病は4大公害病と呼ばれ、公害の悲惨さを際だたせています。そうした状況の中、子供達を環境破壊から守り、地域を守ろうとする教育として公害対策教育が提唱され、1967年には文部省の提案による「公害対策研究会」が全国的に設立されました。
 この頃、同時に問題となったのが自然破壊です。自然保護教育は、急激に拡大する自然破壊に対して結成された自然保護団体などが実施した自然観察会やセミナーなどを通じ、主として社会教育の分野で展開されました。
 1970年代中頃になると、公害教育、自然保護教育から環境教育へと、対象の範囲が広がり、1975年には公害対策研究会は「環境教育研究会」と名称を変更しています。環境教育はこれまでも述べてきたように、欧米から始まっています。そのため、考え方の基盤が欧米の風土や生活、または価値観に起因しており、日本の風土や習慣、文化や制度に沿う環境教育が必要だとされてきました。


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