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第2部 活用しよう(資料編)


1 環境の基本データを読み取ろう

 福井県では、大気や水質等の環境監視や動植物などの実態調査を継続的に実施しています。その中から、主だったデータを紹介します。

1)大気の現状
 大気汚染を防止するため、二酸化いおうなど5物質について、全国一律の環境基準(人の健康を保護し、生活環境を保全する上で望ましい基準)が定められています。
 県では、この5物質について、一般環境の代表地点や自動車交通量の多い道路沿いに自動観測装置を設置して、環境科学センターの中の中央監視局からテレメータシステム(無線等による遠隔システム)を使って毎時のデータを監視しています。
 また、自動観測装置のない地点については、大気環境測定車「みどり号」を配備して観測しています。
 福井県の現状濃度を見ると、二酸化いおう、二酸化窒素、一酸化炭素については、100%環境基準を達成していますが、浮遊粒子状物質については、風による土壌の舞い上がりや稲わらの野焼きなどにより、一時的に基準を超えて高くなることがあります。
 また、光化学オキシダントについては、県内では注意報の発令はほとんどありませんが、自然界のオゾンの影響等もあって、春から夏にかけて一時的に環境基準を超えることがあります。

物質 環境基準 各観測局の年平均値
(平成10年度データ)
二酸化いおう 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。 0.002〜0.006ppm(一般)
二酸化窒素 1時間値の1日の平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内、またはそれ以下であること。 0.005〜0.017ppm(一般)
0.018〜0.025ppm(沿道)
浮遊粒子状
物質
1時間値の1日平均値が0.10mg/?以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/?以下であること。 0.018〜0.030mg/?(一般)
一酸化炭素 1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間の8時間平均値が20ppm以下であること。 0.5〜0.5ppm(一般)
0.7〜1.0ppm(沿道)
光化学
オキシダント
1時間値が0.06ppm以下であること。 0.022〜0.033ppm(一般)
0.016〜0.017ppm(沿道)
ppm:濃度を示す単位で1ppmは百万分の一を表す


(物質の説明)
二酸化いおう 燃料中の硫黄分が酸化されて生成する。ボイラーなどから排出される。無色刺激臭のある気体で、粘膜質特に気道に対する刺激が強い。
二酸化窒素  燃料中の窒素や空気中の窒素が酸化されて生成する。ボイラーや自動車などから排出される。赤褐色で,刺激性のある。
浮遊粒子状物質  浮遊粉じんのうち、10ミクロン以下の粒子状物質。ボイラーや自動車などから排出される。気道や肺に沈着して,人体に悪影響を与える。
一酸化炭素 炭素化合物の不完全燃焼によって生成する。自動車などから排出される。ひとの血液中のヘモグロビンと結びついて、体内への酸素供給を阻害し、ひどいときには窒息にいたる。   
光化学
オキシダント
大気中の窒素酸化物や炭化水素などが、強い紫外線を受け、光化学反応を起こして生成する。目のチカチカやのどの痛みなどを引き起こす。


【大気汚染監視テレメータシステム】
大気汚染監視テレメータシステム配置図


問合せ先:福井県福祉環境部環境政策課
TEL 0776-20-0301


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