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2 基本方針

 景観の将来像の実現に向けて、基本目標を効果的に実現するためのものづくりとひとづくりの基本方針は、次のとおりです。

1) ものづくりの基本方針  ものづくりにおいては、
「生 む」…地域の特性を生かし、時代のニーズに沿った、優れた景観を創造します。
「育てる」…隠れた景観を掘り起こし、損なわれた景観を修復するなど、優れた景観へと育成します。
「守 る」…優れた景観を保護、維持、継承します。
を基本的視点とし、基本方針を次のとおり定めます。

(1) 景観の顔づくり
 地域のすばらしい自然や歴史的まちなみ、または駅前周辺や商店街などを地域の顔に育てるとともに、それらを核とした周囲の景観づくりを進め、活力ある商店街やまちづくりへの活用を図ります。
(2) 景観のネットワークづくり
 道路や鉄道は、人々が移動しながら周囲の景観を眺める場であるとともに、それ自体も景観を連続的に構成する重要な要素です。そのため、交通ネットワークを充実させるとともに、地域の景観を形づくる上で重要な要素である交通経路およびその周辺を重点的に整備します。また、河川についても、機能面に加え、重要な景観要素として整備を進めます。
(3) 洗練された都市景観づくり
 都心部では、建物や都市施設に景観上の配慮を施し、緑や水のあるオープンスペース等の憩いとやすらぎの場を創出して、賑わいと魅力をあわせもつ洗練された都市景観づくりを進めます。住宅地では、緑の創出等によって落ち着きのある景観づくりを進めます。工場等が立地する地域では、周囲の景観に配慮した清潔で美しい景観づくりに努めます。
(4) 格調の高い集落景観づくり
 集落の景観には、人と自然が身近にふれ合える環境や地域の素材と伝統的建築様式がかもしだすなつかしさがあります。そのため、人と自然の関わりの深い集落では、鎮守の森や屋敷林などを守り育て、伝統のある地域の素材や様式を現代の生活に調和させ、格調の高い景観づくりを進めます。
(5) ものがたりのある景観づくり
 優れた歴史や伝統のある様式、祭り、行事などを生かしつつ、現在の地域づくりや様々な活動が将来の景観をつくるという認識にたって景観づくりを進めます。
(6) 自然と共生する景観づくり
 本県には、山・川・潮などの貴重な自然資源が豊富にあり、これらを景観づくりに積極的に取り入れるとともに、生態系の保全を図って、自然と共生する景観づくりを進めます。また、リゾートや観光を目的として行う開発等については、地域の自然景観に十分配慮して景観づくりを進めます。


2) ひとづくりの基本方針 ひとづくりの基本方針は、次のとおりです。

(1) 景観に対する意識の啓発
 景観は、「景」の存在とともに「観」る人の意識に左右される側面が強いため、美しい景観に対する感性を高めるとともに、自らが景観を見つけ楽しむ意識を高めます。
(2) 景観づくりの組織・リーダーの育成
 景観は、そこに住む地域の人々によって形づくられており、地域の人々の協力が不可欠です。地域の景観づくりに住民の意見を取り入れ、地域住民が一体となって景観づくりに取り組めるよう、住民の積極的な活動組織を育成します。また、組織活動を活発に進めるリーダーを確保・育成します。
(3) 景観づくりの身近な活動の推進
 暮らしに生きた景観とするためには、与えられたものばかりでなく、自らが築き上げていくことが重要です。そのため、住民一人ひとりが身の回りから景観づくりに努めることに加え、集落・自治会などのまちづくり組織による維持管理、運営等の住民活動を活発化させたり、活動への参加意識の啓発、組織間の交流を図ることにより、身近な景観を実感できるようにします。


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