W−3 アメニティ計画づくりの進め方

 アメニティ計画は、地域住民自らが身の回りの環境を見つめ直し、どうすれば住み心地の良い「まち」や「むら」になるかを考え、そして自分たちが実践していくという基本的方向を示すものです。このためアメニティ計画は、それぞれの地域の住民が、その地域の特性にあわせて、創意工夫してつくることが大切です。
 以下に、市町村が行うアメニティ計画づくりの進め方の参考例を示します。


(1) 計画づくり手順
アメニティ計画づくりの標準的な手順は以下のように考えられます。
1 計画策定のための体制づくり
まず組織をつくる
2 計画づくりのための諸状況の把握
身の回りの環境を知る
3 計画づくりのための課題整理
良い点、悪い点を整理する
4 アメニティづくりの基本目標設定
将来の姿を描く
5 アメニティづくりの施策、計画の検討
何ができるのか考える
6 役割・費用分担の検討
だれが何をするのか考える
7 実現化への推進方策の検討
どうやってすすめるのか考える
8 アメニティ計画の実践
点検、見直しをしながら実践する


(民間)

(民間)



(行政)

(行政)
地域の市民等
l
快適環境づくり協議会
・関係行政部局長
・学識経験者
・関係団体代表
・市民代表
l
市 町 村
関係部局の調整
アメニティ計画づくりの推進体制例
(2) 計画づくりのための体制づくり
 アメニティ実現のためには、関係者の広範な協力が不可欠です。
 このため、計画づくりに際しても住民と行政の創意工夫を結集するとともに、専門的見地からも検討する必要があります。このような観点から計画策定の推進母体として、以下に示すような関係者によって構成される協議会を組織する必要があります。また、行政内部においても関係各課の調整を図るための組織をつくり、個々の施策を総合的に調整する体制を整備する必要があります。

委 員 長 ○○市役所
副委員長 総務部長
委  員 企画課長
財政課長
農政課長
林務課長
商工観光課長
都市計画課長
土木課長
建築課長
下水道課長
清掃課長
社会教育課長
学校教育課長
体育課長
行政庁内組織の構成例
1) 行政庁内体制の設置、運営のポイント
@ 庁内体制の機能は、庁内の議論を総括し、かつ協議会 等の場を通して住民との連携を図ることにあります。こうした機能を十分に発揮できるよう、この体制が計画づくりに関するトップ・プロジェクトであるとの位置づけを明確にしておくこと。
A 庁内体制は、単に環境所管課のみならず、企画、財政、土木、建設など関連する全ての部課を横断的に統括する組織とすること。
B 庁内幹部職員のみならず、若手、中堅職員の積極的な参加を求め、自由活発、独創的な議論の場を確保すること。

2) 協議会の設置、運営のポイント
学識経験者 福井工業高等専門学校教授
福井大学工学部助教授
市議会議員 武生市議会議長
武生市議会総務委員長
県、市 福井県武生土木事務所長
武生市総務部長
各種団体 武生市明るい町づくり協議会連合会長
武生市農業協同組合企画室長
武生市公害対策審議会長
武生市文化財調査委員長
武生商店街連盟理事長
武生市観光協会副会長
武生青年会議所理事長
武生商工会議所青年部会計
武生市建築士会
国環境モニター
松下政経塾生
主婦
武生市連合青年団
仁愛女子短期大学生
@ 構成
 協議会は、できるかぎり広範な層の市民の意向を反映できる構成とする必要があります。そのためには、市町村を構成する関係諸団体およびそれらの活動を的確に把握し、次の事項に配慮しながら、適切な人材の確保に努める必要があります。
 a) 市町村関係部長、学識経験者、関係団体代表、市民代表等から構成することが適当であること。
 b) 委員の人選は、つくられた計画をいかに円滑に実施していくかという点も考慮して行うこと。
 c) 関係団体等の幹部ばかりでなく、若手、中堅の登用にも配慮すること。
 d) 県および国の出先機関の担当者も、構成員として参加することが望ましいこと。
A 運営
 a) 計画づくりや推進の母体となるのはあくまでも協議会であることから、市町村担当課は協議会の事務局を務め、協議会における自由かつ独創的な議論の展開をサポートすること。
 b) 協議会において市町村全体としてのアメニティづくりの在り方を検討するに際しては、可能な限り市町村を構成する各地域ごとの議論も土台として推進することが望ましいこと。


(3) 計画づくりのための諸状況の把握
 計画づくりにあたっては、最低限、地域の環境現況に関する調査と住民の環境に対する意識調査を実施する必要があります。

1) 環薦現況に関する調査
 市町村内の環境の現状やアメニティ、ディスアメニティの素材の分布状況を的確に把握するのが目的です。
 a) 調査方法例
 ・文献調査、現地調査、ヒアリング、作文・論文の募集
 b) 調査項目例
 ・自然環境(地形、緑、水、小動物、自然景観)
 ・生活環境(土地利用、都市景観、街路・公園、構築物など)
 ・歴史文化環境(城趾、神社仏閣、民家、遺跡、伝統行事、祭事など)
 c) 調査のまとめかた例
 ・アメニティ・マップ、遊び場マップ、アメニティ・カルテなど

2) 住民の環境に対する意識行動の調査
 住民がアメニティとしてどのような姿を求めているかを把握するとともに、身近なアメニティ、ディスアメニティの素材についての 情報を収集することが目的です。
 a) 調査方法例
 ・アンケート調査、ヒアリング調査、地区懇談会等の開催、提言募集など
 b) 調査項目例
 ・居住地に対する愛着、評価(居住地周辺、市町村域全体)
 ・アメニティのイメージ
   (認識度、イメージ、アメニティの素材など)
 ・アメニティのニーズ
   (目標物、目標実現のための施策、役割分担など)
 ・アメニティづくりのための身近な取組み
   (活動への参加状況、参加意欲)
 c) 調査実施の際のポイント
 ・地域のアメニティ素材が日常性の中に埋没し、他地域との比較が困難であるおそれがあるため、素材の認知・認識に際しては、地域住民以外の第三者の参加も図ることが望ましいこと。
 ・アメニティ意識調査は、同時に住民に対する意識啓発の効果をも有するものであることから、その参加意欲を喚起するような調査方法、内容について工夫すること。
 ・調査結果については、アメニティ・マップとして編集するなどして住民に配布し、その活用を図ることが望ましいこと。
 ・既存のまちづくり、むらづくりに関する調査についても、アメニティという視点で点検再利用することが有用であること。

3) 関連情報・技術
 a) 各種事例の収集整理
 計画づくりに際しては、先進市町村においてアメニティづくり実現のためにどのような施策がとられているか、技術的手法も含め、収集整理しておくことが有効です。このため、これらの先進市町村との問で担当レベルの交流を図ることが望まれます。
 b) 既存補助事業等に関する情報整理
 計画づくりに際しては、既存補助事業等の具体的内容を十分に把握し、アメニティづくりという観点からこれを活用することにより、計画の実効性を高めることができます。


(4) 計画づくりの定めの課題整理
 環境現況調査や意識調査の結果の中でアメニティあるいはアメニティづくりに関して、何が課題となっているのかを点検し、整理する必要があります。

1) 環薦現況における課題整理のポイント
・アメニティあるいはアメニティづくりを阻害しているもの。
・なぜ阻害しているのか。
・どうすれば良くなるのか。

2) 住民の意識・行動の現状における課蔑整理のポイント
・アメニティあるいはアメニティづくりへの関心が低く、環境に配慮しない行動。
・なぜ関心が低いのか、どうしてそうするのか。
・どうすれば、みんなの関心をひきつけるのか。どうすれば、環境に配慮した行動に変えられるのか。

3) 行政施策の現状からみた課遍整理のポイント
・取組みの弱いもの。
・何がネックになっているのか。
・今後の施策の方向性。


(5) アメニティづくりの基本目標の設定
 本アメニティ・マスタープランに示された県全体あるいは各ゾーン別の基本目標を参考とし、各市町村の環境特性や住民のニーズを踏まえて、地域の個性を十分にいかした基本目標を設定する必要があります。

1) 基本日標の組み立て方のポイント
 基本目標の組み立て方には、一般的にトップタウン型とボトムアップ型の二つの考え方がありますが、地域の実情にあわせ、住民との議論の中で選択していくことが望まれます。
(トップダウン型)
 全体の共通目標としての基本目標を決め、これを各テーマあるいは各ゾーンごとにブレークタウンし、それぞれの個別目標を決めます。
(ボトムアップ型)
 各テーマあるいは各ゾーンごとに個別の目標をたて、その後に全体を包括しうる基本目標を決めます。

2) 基本日標の決め方のポイント
 基本目標はすべての人の共通認識、合言葉(キャッチフレーズ)といえるものであり、決める過程では住民との議論を経たうえで、それをできるだけ取り入れたものとする必要があります。
(トップダウン型)
・計画づくりに関わる議論の中からキーワードを探す
・キーワードに基づいていくつかの案をつくる
・住民参加の中で決定
(ボトムアップ型)
・住民から公募(作文、絵画、標語など)
・案の絞り込み
・策定協議会等で検討

3) 個別日標の決め方のポイント
 個別目標は何に着目して個別化を図るのかで、目標体系の組み立て方や目標自体も変わってきます。一般的には以下のような方法がありますが、地域の実情にあわせて選択していく必要があります。
 ・アメニティの素材に着目する方法(水、緑、歴史、景観など)
 ・地域の特性に着目する方法
  (○○地域、○○地区、○○ゾーンなど)
 ・ハード(物)づくりとソフト(人)づくりに着目する方法
 ・人の意識・行動に着目する方法
  (生活と生産、住民と行政、子供・成人・老人など)


(6) アメニティづくりの施策、計画の検討
 既に定められている各種の計画を把握し、関連する既存の諸施策をアメニティづくりという視点から体系化しつつ、各市町村の地域特性に合わせた個性的な施策や計画を導入していく必要があります。

1) 施策体系化のポイント
 ・庁内のプロジェクトチームによる施策のリストアップ作業結果を中心として取りまとめること。
 ・実現性の高いものと構想レベルのものを明確に区分すること。
 ・施策の主体を明確にすること。
 ・住民、企業、団体等が主体となる取り組みについても網羅すること。
 ・個別の施策や新規の施策の有機的連携を考えること。

2) 計画組み立ての方法
 計画組み立ての方法としては次のようなものがあります。
 ・全市、全町、全村の計画
 ・ゾーン別(地域、土地利用、個別目標体系など)計画
 ・ネットワーク計画
 ・拠点計画
 ・行動計画


(7) 役割・費用分担の検討
 各施策、計画については、その性格や内容に応じて行政、住民、企業等における役割・費用負担の在り方について議論を重ね、その合意形成に努める必要があります。
 役割・費用負担の検討にあたってのポイントは次のとおりです。
 ・費用分担、労力分担、技術提供、情報提供など広い視点にたって検討すること。
 ・各施策について役割を分担すべき、既存の組織、団体およびそれらの活動内容を把握すること。
 ・住民一人ひとりが具体的に参加できる仕組み(基金、ボランティアなど)について検討すること。
 ・企業、事業者、団体等の民間活力の位置づけとその導入について検討すること。


(8) 実現化への推進万策の検討
 アメニティ計画を具体的に実行していくための、その普及・促進のための方策についてもあらかじめ検討する必要があります。
 実現化への推進にあたってのポイントは次のとおりです。
 ・個々の施策や計画について、そのスケジュールを明確にすること。
 ・中心となって活動しうるような組織づくりについて検討すること。
 ・継続的に普及・啓発していくしくみについて検討すること。


(9) アメニティ計画の実践
 アメニティ計画づくりは、それ自体がアメニティづくりの普及・啓発の一環であることを認識し、計画づくり期間も広報やシンポジウムなどにより積極的に普及・啓発に努める必要があります。
 計画づくり後においては、計画に定められた各施策が、年次計画等に沿って着実に実施されているかどうか関係部局の連絡を密にして点検を行い、またアメニティ計画は住民のアメニティ意識に支えられているものであり、その意識は時代とともに変化していくものであることから、常に住民の意向を把握し、適宜、計画内容の見直しを行う必要があります。




W−4 本県におけるアメニティ・タウン計画の例
 本県においては、昭和59年度に「上中町」がアメニティ・タウン計画を先行的に策定しています。
 また、平成元年度には、本計画と平行して「武生市」、「大野市」、「美浜町」が計画を策定しています。
 ここでは、各計画の概要についてとりまとめを行います。


   上中町アメニティ・タウン計画(昭和59年度)


◆計画の5つの特色

 上中町におけるアメニティは都会と違って、生産活動の問題を抜きにしては考えられません。生産と環境は不可分の関係であり、様々な分野の事業がアメニティに関わってきます。そのような広い視野でアメニティを考えてきたことが、上中町のアメニティ・タウン計画の特色のひとつでしょう。
 行政関係者や専門家だけが意見を出したり、調査をするのではなく、町民が自分たちの課題を探り出し、あるいは提案をしたりすることこそ重要です。
そこで、「アメニティ・タウン・シンポジウム」を開き、そこで議論された率直な悩みや具体的な提案を、貴重なデータとして活用しました。
 上中町は40ほどの集落から成り立っていますが、それぞれの集落の計画を自分たちの手でつくり上げるということが重要であり、集落ごとに懇談会を開催して、語り合いました。そして、最終的には住民の手によって、集落公園化構想をつくり上げました。
 集落の個性(コミュニティ・アイデンティティと呼んでいます)を、それぞれの集落ごとに考えることもしました。それが、「集落1分間コマーシャル」という楽しいパフォーマンスにまとめられて、シンポジウムの中で披露されました。大好評を博したのはご承知の通りです。
 こうした作業を積み重ねて、上中町のアメニティ・タウン計画は「全町公園化構想」という形にまとめられました。
それぞれの集落が「集落公園化」をすすめ、全町の段階ではそれらを統合して、「全町公園化」をめざすという考え方です。これは、快適環境のもとで、生産活動が高まり、経済的にも文化的にも活力あふれる町となるということをめざしています。


◆計画書の構成

第1章 いま、基調はアメニティ
1.上中町の生活はこうなっている
2.農村のアメニティとは?
3.快適環境の素材はこんなにある

第2章 アメニティをめぐる課題
1.環境素材の現況と問題点
2.各集落における課題はこれだ
3.計画上の主要な課題

第3章 アメニティ・タウン計画の考え方
1.計画のめざすもの
2.住民の手による計画づくり
3.集落公筒化構想の考え方
4.アメニティを生み出すソフトな仕掛け
第4章 全町会園化構想
1 .全町公園化構想の考え方
2 .文化と経済の街
3 .歴史と伝統の街
4 .森林.浴公園
5 .自然体験公園
6 .名水歴史公園
7 .古墳文化公園
8 .工業団地公園
9 .親水花木公菌
10.観光牧場
11.集落公園化モデル計画
12.アメニティ・ネットワークの形成
13.エコロジカル・ゾーン
14.新事業への対応
15.上中町アメニティ・タウン計画関連事業一覧表
16.39集落公園化計画の概要


◆町民が語るアメニティの課題

道路の体系的見直しが必要だ!
国道治いは披害が多い
・南北に長いことや、国道27号線が中央を走るために、集落のまとまりを欠ている。
・国道に面しているため、自動車騒音、モーテルの進出、ゴミ投棄による水田の汚濁などの問題が顕在化している。

集落内道路の整備方針が必要だ!
・集落内幹線道路か狭く曲っており、自道車交通に不便なものとなっていろ。
・県道が山側にバイパス化し、旧県道が集落内幹線となる。これの整備をはかる必要がある
・集落内の道路を、緑道化をはかるなど生活空間として整備をはかる。
・集落内通路を整備する必要がある。

旧道を活性化しよう
・旧宮川街道という街道があるが、今日的な復元利用方策を検討する。

電柱が邪鹿になってきた
・周場整備後電柱がふえた。アース線を土中に入れるので、草刈時ひっかかってやりにくい。
・電柱が多すぎる。ヘリで農薬散布をする時、電線にひっかからないように上空を飛ばねばならず、非効率。

伝統的なものの価値に新しい光を当てる必要が出てきた
「聖」なる空間が、縁遠いものになってきた
・かって、願かけや行事のシンボルであった不動の滝にあまり行かなくなってきている。
・箱ヶ岳(域跡)佐渡守の墓など、歴史的なものが日常生活の中に生きていない。
・昔なからの火の見やぐらや社叢林などのふるさとらしさを残すことが大切である。
・ダンジュクの桜という集落のシンボルが衰退している。

伝統的行事や祭りが衰退してきた
・八幡神社、円通党にまつわる行事習慣を伝承していく。
・「棒ふり」は最近みられなくなったが、技術が残っているうちに、伝承する必要がある。

「聖」なる空間が「俗」なる空間に侵犯されだした
・公民館の建設などの集落の基盤整備によって池沼、社叢林などの身近な自然が失なわれてきている。
・ゲートポール場や集落センター、駐車場などの新しい施設が天徳寺境内の森株を伐りはらって、聖域のなかにくい込んできている。

土葬をやめる方法は?
・神社境内の墓地が手狭になったので、移転したい。土葬をやめたいと思うが、集落の合意になっていない。

「聖」なる空間を再活性化したいという声も出てきた
・瓜割の滝や天徳寺境内の秀れた環境を地域振興の鍵として使うことができないか模索中。
・集落のシンボル鏡山を遊歩道、展望台などの整備により、より身近なものとする。

文化財の調査やPRが不十分だ
・圃場内に館跡があり、時々出土品が出るがきちんとした調査はされていない。
・古項が多いが、ほとんど確認作業がされていない。

庭には無関心という人も多い
・きちんとした庭などあまり意識していない。

大規模改修のときの整備方針が必要だ
・広域農道の整備を集落整備の中でどう生かすか。
・土地改良により、集落環境が一変し(道路、家屋の形状)新たな集落景観づくりが必要。

数少ない平場をどう活用するか?
・未利用土地が約1haほどあり、子供の遊び場等の活用方策を検討する必要がある。
・遠土地川沿いに町内唯一といってよい平場があり、自然公園等に活用をはかれないか。

町の「顔」をどう整えるか?
・上中町のセンター機能が市場とともに集中しており、都市的な整備をはかる必要がある。
・住民センター等、町のセンター機能が集中しており、「町の顔」としての環境整備の必要がある。

近代化は伝統的技術と景観を駆逐する
・カントリーにもみがらつきで出すのて、集落内にもみがない。したがって名物のサトイモを保存することができず、自然がすたってしまった。
・コンバインを導入したので藁が全然ない。カリ手は70才以上に多数いるが、屋根材の方が全く手に入らない。

「公」的財産や空間の管理が負担になってきた
区有林の手入れが、負担になってきた
・区有林には、年2回下草刈り等の管理を行っているが、作業が大変である。(経済的価値があまりないのに)。
・かなり広く区有林を持つが、あまり活用されていない。

ため池は大事だが、手入れが大変だ
・ため池は、コイ、フナ、オシドリなどの生息環境を保存する。
・タメ池が山のなかにある。水不足なので、カサ上げしなくてはならない。これも地区の仕事だ。
⇔
・領南牧場、ゴルフ場に共有地(5区共有)を売り、1,700万円を手にした。集落センターの地元負担金にこれをあてた。

野猿の披害に大弱り!
・水田ばかりでなく、畑での「かんらん」「かぼちゃ」などを栽培しているが、野ザルによる被害が著しい。
・畑への野ザルの被害が大きく、解決する必要がある。

「川」をどうするか?
河川改修で、親水空間が失われた
・砂防指定河川は、三面張による整備が進められている。小河川の自然環境が失なわれている。
・河川改修によってか、井戸水が枯れてきているという問題がある。

三面改修の方がやりやすいという声が多い
・天徳寺境内の昔ながらの石積がふくれてきている。手っとり早く三面張の改修の要望が集落内から上ってきている。
・北川の河川改修の土木工事で下吉田はうるおっていた。

洪水箇所の改善を!
・昔は水つき田んぼの土地。今も河川合流点て洪水のケース多くあり。

用排水の管理が不十分だ
・集落内に圃場が入っているので、用水路と排水路の区分がさだかでなく、圃場内に排水が入ったり、生活汚水が停滞したりで、とてもくさい。
・用水に昔ほどの流れがないので田に水を引くと、雑排水が入りこむ。きたなくて、きもち悪いがしかたない。

水が汚れ、小動物が減り泳ぐ気がしない川になった
・上中町の最下流なので川の水がきたない。昔はホタルがとびかってとてもきれいだった。
・昔は川で泳いだ。今はきたなくて泳がない。

ホタルの棲む川にしたい
・わき水、小河川の保全により、ゲンジポタル生息などの自然環境をより豊かにする。


◆計画のめざすもの

(1) 全町公園化の構想
     町全体を公園のような快適環境にする
(2) 集落の個性(コミュニティ・アイデンティティ)の確立
     各集落の特性を踏まえて、個性的な集落づくりを進める
(3) 全町と集落の調和
     各集落の個性をいかしつつ、全町の統一性を図る
(4) ハードとソフトの統合
     物的な施設整備と管理の仕組みづくりを並行して進める
(5) 環境にふさわしい暮し方
     恵まれた環境を堪能できるライフ・スタイルをつくってゆく


◆全町公園化構想

全町公園化構想の全体像
1 アメニティ・コアの形成
 (1) 2つの街
  @ 文化と経済の街(市場、井ノ口)
  A 歴史と伝統の街(熊川)
 (2) 公  園
  @ 森林浴公園(河内)
  A 自然体験公園(海士坂、三生町)
  B 名水歴史公園(天徳寺、神谷)
  C 古墳文化公園(脇袋)
  D 工業団地公園(堤周辺)
  E 親水花木公園(中野木)
 (3) 牧  場
  @ 嶺南観光牧場
2 アメニティ・ネットワークの形成
 (1) 「みち」のネットワーク
 (2) 「みず」のネットワーク
3 エコロジカル・ゾーン保全活用
 (1) 親水域
 (2) 山麓域
4 39集落公園化構想


◆上中町アメニティ・タウン計画関連事業一覧

類          型 事   業   名






2つの街 中心市街地整備
歴史的町並み保存
中心市街地整備基礎調査
熊川宿歴史的町並保存事業
公  園 森林浴公園
自然体験公園
名水歴史公園
古墳文化公園
親水花木公園
工業団地公園
森林浴公園環境整備事業
自然体験公園整備事業
名水歴史公園整備事業
古墳文化公園整備事業
親水花木公園整備事業
仮称「上中工業団地」建設基礎調査
牧  場 領南観光牧場 領南牧場活性化事業
ラインとスポット 旧道再生
河川エコロジカル整備
アメニティ・スポット
旧道沿道環境整備事業
河川エコロジカル整備事業
アメニティ・スポット整備事業
集落公園化
計    画
アメニティ・パーク
集落の個性(CI)づくり
モデル住環境
コミュニティ・コモン・コンプレックス
集落公園整備事業
集落環境整備事業
生活道路整備事業
コミュニティ施設整備事業



啓 発 等 アメニティ教育
顕彰
シンポジウム
自然に触れるイベント
アメニティ学校教育
上中町アメニティ・タウン大学
アメニティ活動顕彰制度
アメニティ・タウン・シンポジウム
森林浴PRイベント
副読本「アメニティ・タウン上中」作成
特産品開発 特産品開発 特産品開発事業


◆39集落公園化計画の概要

大  鳥  羽 黒     田
「あんずの里」づくり
(1) 特産品の開発
 あんずの加工研究会を発足させ、技術の蓄積をはかり、特産品の開発を行う。
 例 あんずジャム、あんずアクセサリーなど
(2) あんずの植樹
 公共施設の周辺、鉄道沿い、集落内通路沿いをはじめ、各戸に3本以上のあんずの植樹を積極的におこなう。
(3) 湧水地点のシンボル空間化
 湧水地点の周辺を整備し、住民のいこいの場として整備する。
(4) 集落内道路のC.W
 集落内道路に隣接する空地をとりこんで、集落内通路を安全で快適な空間として整備する。
「産土(うぶすな)の博物館」づくり
(1) 豊かな自然スポットの保全
 シャクナゲの群生地、サカキの群生地、サンショウウオ、モリアオガエルの生息地など豊かな自然が残っており、その生息地、群生地の保全をはかる。
(2) 遊歩道の整備
 (1)のスポットをめぐる学習遊歩道の整備を行なう。
(3) 集落環境整備
 集落内の荒地等を活用し、「古墳の丘公園」「ほたる広場」「みちくさ公園」などの住民の利用可能な拠点の整備を進める。
麻  生  野 海  士  牧
「総合観光農園」づくり
(1) 果樹園
 他の集落では見られない梨を中心に、他種の栽培を行なう。
(2) 特産品の開発
身近な自然を生かす
(1) 遠土地川上流の自然体験公園
 遠土地川は、家もなく閉鎖水系であり、平坦な土地も多い。従って旧来の植生を生かした活動的な自然体験公園を整備する。たとえば、川での魚とり、水生動物、昆虫などの観察学習を行なう。川あそび広場や、キャンプ場、昆虫園などを整備する。



    武生市アメニティ・タウン計画(平成元年度)


◆武生市におけるアメニティの考え方

 武生市のアメニティ・タウン計画を策定する前提として、基本的レベルにおいて共通した認識をもち、一貫した考えのもとに計画策定を行うため、武生市におけるアメニティの考え方を「アメニティづくり」という観点から以下のように整理します。

アメニティづくりのめざす姿は、美しいまち 美しいこころ
アメニティづくりの基盤は武生市の風土から醸し出される「武生らしさ」
アメニティづくりの活力源は市民一人ひとりの地道な行動力


◆計画の目的

1.快適環境の目標づくり
2.各種行政施策への指針
3.市民によるアメニティづくり


◆計画の構成

(序論)
T アメニティ・タウン計画策定の基本的考え方
 T−1 アメニティの考え方
 T−2 アメニティ・タウン計画の目的と構成
(現況肥握編)
U 武生市の環境特性とアメニティに関する課題
 U−1 武生市の概要
 U−2 市民意識調査の概要
 U−3 武生市の環境特性
 U−4 アメニティに関する課題
(基本構想編)
V 基本目標と施策の方向
 V−1 武生市の基本目標(アメニティ像)
 V−2 アメニティづくりの基本方針
 V−3 アメニティづくりの施策
(計画編)
W 美しい武生のまちづくり計画
 W−1 ゾーンの設定
 W−2 ゾーン別計画
X 美しい市民のこころづくり計画
 X−1 市民への普及・啓発計画
 X−2 アメニティ推進の組織づくり
(実現方策編)
Y 実現化への検討
 Y−1 目標期間の設定
 Y−2 先導的施策
◆計画のフローチャート


◆アメニティに関する課題

自然の営みを守り、市民生活との調和を考えながら有効活用を図っていく必要があります
・自然(山、川)の保全と活用
・市街地内の緑や水とのふれあいの場の創出
先人の遺産を大切に守り、魅力的な地域文化を育む必要があります
・歴史的遺産の保全と周辺整備
・市民文化の振興と文化交流の促進
・伝統工芸の振興
市民の誇りと愛着を培う、いきいきとした美しいまちの創造を図っていく必要があります
・武生ならではの魅力的なまちの形成
・雪に強いまちの形成
・各種プロジェクトの体系化と連携の強化
アメニティに対する意識の高揚と市民参加のまちづくりの強化、推進を図る必要があります
・アメニティ意識の普及・啓発
・市民と行政の協力体制と役割分担


◆基本目標(アメニティ像)と基本方針

基本目標(アメニティ像)
市民一人ひとりが参加する歩いて楽しいまちづくり
『ふれあい』……市民一人ひとりが武生の良さにふれあい、そして、人と人のふれあいを通して、武生の良さをみがきあげていく。
『思いやり』……市民一人ひとりが身の周りの環境に対して思いやりのこころをもち、自らが積極的に行動していく。
『武生美』………美しい武生のまち美しい市民のこころ

基本方針 施策の方向










豊かな緑とのふれあい 山の緑の保全と創造
緑と花のネットワークの形成
市街地内の緑の創造
清らかな木とのふれあい 水環境の保全
河川空間の活用
誇りある歴史・文化とのふれあい 歴史的遺産の保全と活用
市民文化の振興と文化交流の促進
伝統工芸の振興
魅力的なまち並とのふれあい 風景と調和した住宅地の形成
中心市街地景観軸の形成
いきいきとしたまちとのふれあい 地区シンボルの形成
雪に強いまちの形成
地区コミュニティの形成

美しい
市民の
こころ
づくり
環境にやさしい思いやり アメニティ意識の普及・啓発
市民団体、市民活動の支援
たくましい行動力 市民参加の促進
アメニティ組織の育成


◆美しい武生のまちづ<り計画(ゾーンと計画方針)

自然保全ゾーン(非可住地区)
計画方針[山地部]・保全と生産、保全と開発の調和を図り、山々の風景を守る。
             ・山とのふれあい、自然の豊かさ、自然の大切さを学ぶ。
       [河  川]・水とふれあえる親水拠点公園を創出する。
             ・水辺の動植物がいきいきとしている親水空間を創出する。
農 山 間 地 ゾ ー ン
計画方針 ・山々や田園風景と調和した花と緑にあふれた“むら”を創出する。
        ・鎮守の森、瓦の家並み、小川のせせらぎなどの身近な素材をいかしたふるさとのシンボルを創出する。
        ・土や木や水の恵みをいかした活力あるふるさとを創出する。
        ・農業用施設を有効に活用し、豊かな地域環境を創出する。
市 街 地 周 辺 ゾ ー ン
計画方針 ・緑豊かな開放的なまち並みを創出する。
        ・身近な緑や水とのふれあい、人々が語り合える空間を創出する。
        ・住民参加のまちづくりを推進する。
中 心 市 街 地 ゾ ー ン
計画方針 ・丹南地域の中核都市としての風格あるまち並み景観を創出する。
        ・緑豊かな公園やまちの目印となるポケットスペースを創出する。
        ・豊かな歴史や自然をいかし、活力あるまちづくワを推進する。


◆美しい市民のこころづくり計画

市民への普及・啓発計画
 ・アメニティ・カルテ、アメニティ・マップの作成と利用
 ・学校教育、社会教育を通した環境教育の推進
 ・アメニティづくりPR
 ・アメニティ実践活動への支援
アメニティ推進の組織づくり
 @ 地区単位での推進体制
 A テーマごとの推進体制
 B 企業との協力による推進体制
 C 外部との交流
 D 全市的な推進体制
市民参加のアメニティ推進体制


◆先導的施策

@ アメニティ基金の創設
 アメニティ基金は、市民の皆さんからの貴重な浄財を積み立てて、アメニティのための市民活動や緑化運動、例えば「花苗や種子の配布」、「個人の生け垣、前庭等の設置への助成」、「市内空地等の緑化と維持・管理への援助」などに活用しようとするものです。
アメニティ基金運用の概念図


A アメニティ13ヶ条の設置、普及・推進
アメニティ13ヶ条
 わたしたちのまち武生をアメニティあふれるまちにしていくためには、その第一歩として市民一人ひとりが身の周りの環境に気を配り、以下のことを守っていきましょう。
まちづくり8ヶ条
1 山はだは緑化に努め、自然の風景を守りましょう。
2 河川整備は自然とのふれあいを大切にしましょう。
3 歩道や散歩道は楽しく歩けるようにしましょう。
4 商店街づくりは楽しくショッピングできるようにしましょう。
5 道路空間は積極的に緑化しましょう。
6 建物は歴史や周囲の景観に気を配りましょう。

こころづくり7ヶ条
1 台所からの排水に関心をもちましょう。
2 家の前に庭や生け垣をつくりましょう。
3 公園の緑や並木はみんなで育てましょう。
4 所得の1%を緑化に使いましょう。
5 ゴミの投げ捨てはやめましょう。
6 伝統行事、祭祀の保存に努め、積極的に参加しましょう。
7 冠婚葬祭の簡素化に努めましょう。

B アメニティ奨励賞
 アメニティ向上に大きく貫献している市民(団体)にアメニティ奨励賞を贈り、今後益々の活躍を期待するとともに、周りの市民(団体)へのアメニティ推進活動の啓発を期してアメニティ奨励賞を授与します。



    大野市快適環境づくり計画(平成元年度)


◆計画の目的と位置づけ

目  的 環境特性や快適な環境に対する市民の要請を踏まえた上で、大野市が目指すべき快適な環境を備えた都市像を示すとともに、その実現に向けた具体的方策についての検討を行うことを目的とします。
位置づけ 大野市快適環境づくり計画は、第2次大野市総合計画を踏まえるとともに、現在策定中である第3次大野市総合計画(基本構想)や福井県アメニティ・マスタープランなどとの整合性を図った上で、大野市における環境行政の指針を示す計画として位置づけられます。


◆計画の構成

序 章 計画づくりへの取り組み
   ・ 計画づくりの背景
   ・ 計画の目的と位置づけ
   ・ 計画の策定フロー
   ・ 大野市の概要

第1章 私たちの大野市を見る、考える
 1−1 環境の特性
 1−2 課題の整理

第2章 将来の大野市を描く
 2−1 計画の基本理念
 2−2 計画の基本方針

第3章 みんをで実践していく
 3−1 快適環境づくりの施策体系
 3−2 快適環境づくり計画
 3−3 体制と参加のしくみ
 3−4 事業施策の体系

≪資 料 編≫
 ・ 市民アンケート調査の概要
 ・ 大野市快適環境づくり計画 策定協議会
 ・ 大野市快適環境づくり計画 推進委員会
 ・ 策定経過


◆計画づくりの体制

 総合的見地から快適環境の形成を図るために、計画づくりの段階から官民の創意工夫を取り入れることを考慮し、下図の体制によって取り組みました。
@ 大野市快適環境づくり計画策定協議会
 計画内容についての幅広い意見交換や、提言および情報提供・技術指導を行って、本計画を円滑に推進する機関
A 大野市庁内推進委員会
 計画内容全般についての総合的な調整を行う機関
B 事務局
 基礎資料の収集、分析および計画案の作成等を行う機関


◆課題の整理

 環境の特性の中で、各要素ごとに今後の方向性を取りまとめるとともに、特に「快適環境づくり」に視点をおいて、課題の整理を行いました。
【課題】
自然―壮大な自然を守り育て、私たちの心のやすらぎの糧としよう!
 ● 豊かな自然環境をこの手で守り育てていく
 ● 豊かな自然環境を多彩に活用していく
 ● 自然の恵みを生活の中に取り入れていく

歴史―情緒豊かな歴史的資産を守り育て、私たち共有の財産としよう!
 ● 貴重な歴史的資産をこの手で守り育てていく
 ● 貴重な歴史的資産を有効に活用していく

生活―誇りをもって暮らせるまちをつくっていこう!
 ● 都市基盤施設整備を積極的に進めていく
 ● 身近な素材をまちづくりに取り入れていく
 ● 克雪・利雪のまちづくりを行っていく
 ● 郷土を愛する心を広めていく


◆計画の理念と方針

計画づくりの基本理念:私たち自身の目で「大野らしさ」と「身近な素材」を見つけ出し、私たちの心と頭でそれらの守り方、育て方を生み出し、市民全員の力で実践していくこと
計画テーマ
緑 映え 水にうるおう 城下町大野

















快適環境づくりに
向けた7つの
基本方針





 













城下町らしさ(大野らしさ)の保全と有効利用
<うるおいの城下町ゾーン>
快適な生活空間の創造
<うるおいの城下町ゾーン>
ふる里の原風景の保全
<ふる里の田園ゾーン>
集落における生活環境の改善
<ふる里の田園ゾーン>
七色の環境保全
<七色の自然ゾーン>
自然にとけこめる場の形成
<七色の自然ゾーン>


◆計画の内容

環境特性を踏まえて、
 ● うるおいの城下町ゾーン
 ● ふる里の田園ゾーン
 ● 七色の自然ゾーン
を設定し、各ゾーンごとに快適環境づくり計画を立案しました。










潤う・郷愁の城下町構想 城下アメニティの保全と利用 越前大野城と亀山
清水
旧美濃街道と町屋
神社・仏閣
玉石護岸の河川、水路
古い町名、通り名
憩う・そぞろ歩きの
         まち構想
住宅地における
   そぞろ歩きのまちづくり
街路樹が豊かである
どこでも緑が見える
家並みが繁っている
お城や名水にふれあえる
情緒豊かな歴史がただよう
雪と調和している
商業地における
   そぞろ歩きのまちづくり
七間通り
駅周辺地区
石灯篭通り
二番水路
五番商店街
工業地における
   そぞろ歩きのまちづくり
工場周辺地の緑化









映える・純ふる里構想 ふる里景観の保全 野外広告物の適正配置
道路における工夫
その他の工夫
育む・こぶしの里構想 花香るふる里環境の整備 フラワーロードづくり
市の花・コブシの里構想
ふる里アメニティの有効利用 旧街道等
鎮守の森
河川、小川
大木、名木
野原、雑木林








輝く・七色の山保全構想 七色に輝く山の環境保全 法令による環境保全
市民の工夫による環境保全
舞う、奥越ロマン構想 大自然とのふれあいの場の創出 自然の観察
レクリェーション等


◆体制と参加のしくみ


◆事業施策の体制


計画事項 行 政 主 体 住民主体
施設整備等 誘導・啓蒙等 地域活動等






















越前大野城と亀山 ・遊歩道、広場、休憩施設、駐車場の整備
・散策道路のネットワーク化
・公共公益施設の配置工夫
・ライトアップの継続
・都市計画風致公園
・お城をさえぎる広告物等への指導
・窓に関する建設指導
遊歩道沿いの環境美化活動
・植樹された桜の生育点検活動
・広告物展示への配慮
・窓の位置への配慮
清水 ・ベンチや水屋の配慮
・公園・緑地との一体化
・階段護岸の整備
・木碑の設置
・地下水保全条例の施行
・地下水の観測調査
・清掃活動
・イトヨの保護
・コイの放流
・節水意識、敬水意識の普及
旧美濃街道と町屋 ・歴史的建築物の買上げと有効利用
・一里塚の設置
・保存条例制定の検討
・伝統的建築物郡保存地区の指定の検討
・補助金制度の検討
・低木類の植栽やフラワーポットの設置
・ベンチ、水飲場の設置
・歴史的な景観づくりの取り組み
神社・仏閣
・保存条例制定の検討 ・緑化の推進
・歴史性への配置
・保全に関わる行動ルールの普及活動
玉石護岸の河川、水路 ・玉石護岸や練石護岸の利用の検討
・階段護岸整備の検討
・保全の検討
・美化意識の啓蒙
・清掃活動の推進
古い町名、通り名 ・町名由来標示板や旧町名表示板の設置 ・名称としての利用促進
・標柱の


街路樹が豊かである ・宅地側への植樹帯設置の検討 ・計画段階における配慮
・集計工事費1%上乗せシステムの検討




    美浜町アメニティ・タウン計画(平成元年度)


◆計画の視点

 地域環境とはいうまでもなく地域固有のものであり、目標や計画はあくまでも地域の特性に即して設定されるべきものである。このため、本計画の狙いである<地域の特性を生かすこと>を基本に、他地域とは一味違う計画づくりを進めることとし、以下の点に留意した計画とする。






・人口1万人クラスのまちである
・独立した環境系を有している
・全国的にも通用する観光レクリエーション地である
・多様な生活が生きづいている
・古くからの歴史が生きづいている


◆計画の目的

1.快適環境づくりの目標づくり
2.快適環境づくりのマスタープランづくり
3.快適環境づくりの推進計画づくり


◆計画の構成

1.調査の背景と視点
(1)アメニティ・タウン計画の背景
(2)美浜町アメニティ・タウン計画の視点
2.美浜町の環境特性
(1)自然環境上の位置
(2)自然的特性
(3)社会的特性
(4)景観風土の特性
3.意識調査によるアメニティ要素の抽出・評価
(1)意識調査の概要
(2)町全体のアメニティ要素とその評価
(3)アメニティに対する行政および住民の役割
(4)子供たちのアメニティ環境
(5)集落別アメニティの現状とその評価
4.美浜町のアメニティ像
(1)問題点
(2)課題
(3)アメニティ像
(4)基本方針
5.全体計画
(1)アメニティ地帯構成
(2)ランドスケープ区分と整備保全の方向
(3)シンボル・アメニティの維持・形成
6.アメニティプラン
(1)ふるさと風景保全育成プラン
(2)新しい環境形成プラン
(3)環境形成リードプラン
(4)地区環境保全整備プラン
(5)計画推進プラン


◆美浜町のアメニティに関する問題点と課題

問題点
く町 全 体>
・まちの顔がない(印象の薄い町)
・雑然とした沿道環境
・海浜、湖畔の汚れと土地利用の未整備
・演出不足のスポット(三叉路、眺望地等)
・歴史資源の未活用
・多様な生活風土の画一化
・自然景観への配慮に欠けた公共整備
・海、湖、川の環境整備の不足
・生活を楽しむ場の不足
<身近な環境>
・社寺等、集落の象徴空間の環境悪化
・伝統行事等の舞台や周辺の環境の未整備
・アメニティに対する住民の認識の不足
・子供が自由に遊べる空間の不足
・美化活動が統括的に実施されていない
・個々の集落の特徴の喪失化
・公共空間の美化の問題(ゴミ等)

課題
・ふるさとの風景の保全活用
・まちの顔づくり(駅、庁舎、湖畔、海浜等)
・まちのスポットづくりと演出
・既存資源の積極的活用(山、川、海岸、歴史)
・景観に配慮した施設整備
・個性ある生活風景の演出
 (漁村、農村、山村、祭り等)
・楽しく住むための環境整備
・集落の象徴空間づくりと演出整備(社寺公共施設周辺、辻、集落ゲート等)
・子供の遊び空間の確保
 (自然な遊び場や公園の確保)
・伝統行事の継承と舞台の環境整備
・個性ある集落環境/づくり(花、水の活用)
・美化活動の組織的展開
 (既存の美化活動の連携等)


◆アメニティ像と基本方針

・アメニティ像
ハートフルパーク美浜
水と緑を生かした楽しい生活風景の創生

・基 本 方 針
風景を育む
・歴史的環境を守り修復する
・集落景観の保全と修景
・シンボルとなる山の保全
・海岸景観の保全と修景
顔をつくる
・美しいまちの顔と軸をつくる
・集落・地区のシンボルづくり
・観光・レクリエーション環境づくり
輪を拡げる
・水と緑のネットワーク形成
・歴史をむすぶ
・地区別のアメニティテーマをつくる
・町民参加システムの構築


・地区別整備保全の方向(タイプ分類の考え方)

「保護・保全系」
 町を代表する海岸景観や山間の景勝地等が対象であり、自然的環境や景観を守ることが最大のポイントとなるタイプ。
「生活管理系」
 市街地・集落地、漁港、田園などの地区で、生産・生活活動の中でアメニティ環境が適切に管理・維持されるべきタイプ。
「修景改善系」
 まちの景観や環境のポイントとして、ディスアメニティの解消を進め、適切なアメニティ形成を誘導するために必要な対策を講じるタイプ。
「再生・復元系」
 既に失われた景観や快適な環境を再び創造することを前提として、必要な対策を講じるタイプ。
「創造系」
 新たな市街地として整備が想定されている地区や積極的にまちの顔として演出すべき地区において重点的にアメニティ対策を講じるタイプ。


◆アメニティ地帯構成と計画の方向

区  分 位置づけ 計画の方向







臨海地区 海図ゾーン
―コースタル・ガーデン―
・自然海岸の保全
・養浜・護岸修景等の推進
・背後地の修景整備
・松並木の連続化
三方五湖地区 水景園ゾーン ・自然景観の保全
・湖畔の風景づくり
・湖畔の保養空間づくり
(スポーツ・レク、文化芸術、保養)
・水質の改善
田園地区 生活風景ゾーン ・ひろがりのある田園の保全
・円園風景づくり
・歴史的風土の保全と活用
市街地地区 界隈ゾーン ・快適なシピックコアの形成
・シンボル道路の形成
・快適な商業業務空間づくり
山間地区 美しいグリーンベルト ・ふるさとの山づくり
・森林散策の道づくり
・冒険の森づくり
・シンボルの山の保全



国道
県道
モデル景観道路
(国道27号)
(県道佐田立石敦賀線)
(県道日向郷市線)
・沿道修景、サインの徽底
・並木づくり
・花のスポット整備
耳川 ふるさとの川 ・川辺の道整備
・せせらぎ水辺環境整備
・水質の維持・改善


◆地区環境保全整備

・アメニティ地帯構成をもとに、さらに特色あるランドスケープを構成する地区を抽出し、それぞれの美しいランドスケープづくりに向けて望ましい方向を示す。

丹生地区
<アメニティ形成のテーマ>
  「漁港の佇まいの維持・形成」
<アメニティ要素>
  ○静穏な丹生の浦の景観(静穏な水面、海岸の松林等)
  ○小漁船の係留と漁船の音
  ○水揚げの賑わい
  ○潮と魚の臭い
  ○沖合に浮かぶ養殖場
  ○漁村の佇まい(狭い道路、石垣のある家並み)
<ディスアメニティ要素>
  殺伐とした漁港道路周辺(道路の埋立て部分と漁村の間)


◆シンボルアメニティの維持・形成

対      象 区           分







まちの顔づくり 駅前、新庁舎周辺
ビスタポイントの整備修景 美浜10ポイントビスタ
歴史的シンボル拠点の整備修景 国吉城跡、織田神社、竜沢寺
レクリエーション拠点の整備景観 レインボーライン、渓流の里、和田久々子海岸、佐田海岸
ふるさと風景モデル拠点 宮代・麻生、久々子湖畔
ふるさとの四季の山整備 小倉山、天王山、飯切山、岳山
冒険の森の整備 岳山
町民ピクニック広場の整備修景 雲谷山山麓高原
まちのシンボル道路整備 駅前〜新庁舎
まちの広域幹線軸の修景整備 国道27号沿線
モデル景観道路の指定と修景整備 主要県道
海辺の道整備修景 和田久々子海岸、佐田海岸
山辺の道整備修景 歴史の道(山麓線沿い)
里の道整備修景 太田周辺
山辺の道整備修景 耳川
湖畔の道整備 日向湖、久々子湖
スカイライントレールの整備 周辺山地の尾根沿い


◆計画推進に向けて

・町が進める「美浜町まちづくり推進協議会」等との連携をとりながら、まちづくりの中で本計画を位置づけ、官民が協力しながら快適環境づくりを進める。
町の役割
・シンボル・アメニティづくりの推進
・町民に対する啓蒙普及活動
・土地利用の適切な誘導
・自然にマッチした公共施設整備
・ふるさとの風景の保全対策の充実
・モデルアメニティ事業の推進
・アメニティ情報の町民への提供 等
町民の役割
・地区別アメニティ形成プランの策定と実施
・アメニティ関連行事等への参加
・地区別アメニティ会議の設置運営
・アメニティ情報の町への提供
・アメニティ・モデル事業等の参画実施 等