U 環境教育の現状と課題
 U−1 環境教育の現状
  1 地域における環境教育
  2 企業における環境教育
  3 学校における環境教育
  4 行政における環境教育
 U−2 環境教育の課題
  1 環境教育についての考え方の確率
  2 県民の環境に対する関心の高まりへの対応
  3 情報の不足への対応
  4 環境教育の効果的推進への対応


U.環境教育の現状と課題


U−1 環境教育の現状

 県内の環境に関する学習や活動は、主に住民が個人または団体行動で行うほか、企業、学校、行政などさまざまな分野で取り組まれている。
 県内における環境に関する学習や、実践活動の現状を把握するため、昨年、地域、企業、学校、行政の4つの分野に分けて調査した。

1 地域における環境教育

 地域において環境関連の活動に何らかのか達で取り組んでいる人々はきわめて多い。
 そのようななかで、市町村や県の関係課、伸びゆく福井県民運動推進協議会などの協力を得ながら実態を調査した。
 調査に当たっては、住民が団体として、自発的に、、または外からの働きかけに応じて行う活動とした。

(1) 活動に取り組んでいる団体の概要
 地域においては、概ね次ぎのような団体が、活動に取り組んでいるものと考えられる。
・地域住民相互の親睦、福祉向上を目的とする団体
  町内会、婦人会、子ども会、青年団、壮年会、老人会

・特定の目的を持つ住民の自主的団体
   環境美化グループ、自然愛護団体、消費者団体、生活学校、、生活改善実行グループ、河川愛護団体など

・特定の目的を持つ団体
   ボーイスカウト、ガールスカウト、みどりの少年隊、ライオンズクラブ、ロータリークラブ、ソロプチミスト、ゾンタクラブ、歩こう会など

・その他の団体
   農業協同組合、漁業協同組合、森林組合、商工会議所、商工会、青年会議所、消費生活協同組合、商店街復興組合、観光協会など

・団体の連合体
   連合婦人会、商工会議所連合会、PTA連合会、公民館連合会などの市町村や県などのレベルにおける連合体

(2) 地域における活動の概要
 これらの団体における実践活動の概要は次ぎのとおりであるが、県内各地域においては他にも優れた活動が展開されていることが予想されるので、さらにその実態の把握を続ける必要がある。

学習会や講習会等の開催
・樹木・自然・愛鳥学習会、石けんづくり講習会、花壇づくり講習会、リーダー研修会など
・施設見学会、先進地視察、河川生物観察会など

環境美化
・花いっぱい運動、花の全度配布、花壇コンクール、フラワーボックスの設置など
・吸殻入れの取り付け、ごみ捨て場・道路・河川・海岸の清掃など
・マラソン・運動会・旅行の際の、ごみ持ち帰り運動など

自然環境の保護や緑化の推進
・野や山のすぐれた自然の保護、植樹運動など
・緑化に関する調査、緑化技術の指導など

広域活動等の実施
・看板や標識の設置、有線放送の利用、チラシ配布など
・ポスター、作文のコンクールなど
・ノーポイ茶屋の開設、正しいごみ出しの徹底など

省資源・省エネルギーの啓発
・不用品の分別回収(空き缶、空きびん、牛乳パック、廃油、粗大ごみなど)、不用品の交換および即売会、トレイパックへの取り組み、過剰包装の廃止運動、コンポストの設置など

快適な環境づくり
・観光地遊歩道づくり、登山道、公園、街灯の整備など・錦鯉の放流、ホタルの里づくり、小鳥の巣箱掛け、放鳥事業、名水保存運動、コスモス街道づくりなど

(3) 活動事例の紹介
 地域においてはさまざまな形で環境関連活動が取り組まれているが、ここではその事例として、1.芝原を美しくする会、2.二夜の川を美しくする会、3.鳥羽を考える会について紹介する。


【例1】

団体名
 芝原を美しくする会(福井市東藤島公民会館内)

組織の概要
 芝原用水沿岸の11地区(東藤島、啓蒙、日之出、東安居、松本、春山、湊、宝永、順化、日新、西藤島)の住民で組織し、会長1名、副会長2名、事務局長1名、庶務会計1名、代表委員27名を選出し、会の運営に当たっている。(会員数約1,000名)

実践活動の内容
 芝原用水を美しく保つための調査、啓発、実践活動を推進し、沿岸の地域に住む住民自らが美しくする運動を展開してきた。
 昭和63年度は、県・市・森林組合・用水組合などの協力を得て、杉の間伐材を利用した木炭による水質浄化を行い、錦鯉の放流試験、危険箇所の巡回点検なども行った。また全市的にとり組んでいる福井を美しくする会と機を同じくして、雪が降る前、雪どけ後の福井を美しくする運動にも積極的に参加し地域の美化に努めている。

活動の背景
 古くから飲料水としての役目を果たしてきた芝原用水は、昭和の初め頃までは浄水と称し、きれいな川の代名詞であった。用水の清掃のための水引き時には、九頭竜川から流れ込んだと思われる鮎も多くとれた。この浄水を守るべく沿岸地域の人々は、行政側の協力も得て努力してきた。
 しかし、戦後は、主としてかんがい用としての役目を果たすだけになり、生活様式の変化などから廃水路としても利用されるようになってきた。
 近年は、改修が進められ用水と排水を分けて利用されるようになっているが、昔の浄水をとり戻そうと、昭和47年沿岸各地区の有志で、芝原を美しくする会を結成した。


【例2】

団体名
 二夜の川を美しくする会(敦賀市松原公民館内)

組織の概要
 二夜の川流域の6地区(松原町、松島町、新松島町、呉羽町、平和町、鋳物師町)の地域住民で組織し、会長1名、副会長5名を選出し、その他、参与3名、事務局長1名、理事24名、監事2名が運営に当たっている。(会員数約800名)

実践活動の内容
 昭和60年9月結成以来、ユスリカの天敵である錦鯉の稚魚を毎年多数放流し、河川美化PR用看板も沿岸各所に設置し、岸辺にはさつきの花を植えるなどして環境美化に努めている。
 その他河川の清掃、除草も毎年第1日曜日に河川流域の住民で実施し、パトロールも行っている。

活動の背景
 二夜の川は、敦賀市西北部の松原地区を流れる幅3.5m全長2.4kmの川で、水量は比較的少ない。水量の少ない川だけに生活排水などの影響をもろに受け、次第に悪臭を放つようになってきた。また川の強化について住民の意識が薄く、川へごみを捨てる人も後を絶たないという悪循環を重ねていた。
 川辺にはユスリカが一面に飛び交い、空を真っ黒に覆うほどになり、河川周辺の環境は次第に悪化した。
 そこで、この現状を打開するため立ち上がったのが、河川流域6地区で構成する「二夜の川を美しくする会」である。


【例3】

団体名
 鳥羽を考える会(上中町鳥羽公民館内)

組織の概要
 鳥羽地区(12集落)に居住する全ての家庭で組織し、会長1名、副会長1名、会計1名、監事2名を選出し運営に当たり、環境整備委員会と鳥羽公園を美しくする会を設置している。(会員数約470名)

実施活動の内容
 鳥羽川全長9km両岸と川の中の草刈を毎年6月に実施し、3月に土手焼きを全戸が出ての奉仕作業で実施している。そのほか毎年1回空き缶拾いも実施している。
 また、一戸一株運動による植樹や公園の整備による快適な環境づくりにも積極的に取り組んでいる。

活動の背景
 鳥羽川河川地域では梅雨になると例年のように50haあまりの田が冠水していたため、下流の4集落で川の草刈りをしていたが、鳥羽を考える会、鳥羽公園を美しくする会が発足したのをきっかけとして、地域ぐるみで鳥羽川や公園を美しくしようということになり、地域全体で奉仕活動を実施することとなった。


2 企業における環境教育

 県内の各企業においても公害防止のための措置に止まらず、地域環境を保全するため企業独自、あるいは地域住民と一体となって活動を行っていることは、新聞報道等でよく目をするところである。
 今回の調査は「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」の規定に基づき公害防止管理者を設置している146事業場について実施した。
 主なものは窯業・土石製品38、金属製品29、、繊維26などである。


「どのような種類の環境保全活動に取り組んでいるか」(複数回答)

 「敷地内の清掃」が81%で最も多く、次いで「環境週間中の行事開催」60%、「敷地内の緑化」49%、「従業員の意識高揚」33%と続いていた。これに対して「特別な活動はしていない」が24%見られた。

@ 敷地内の清掃を徹底している。……………………………………………………清掃
A 環境週間(6月5日から6月11日まで)の行事に積極的に参加している。…………行事
B 積極的に緑化を進めている(剪定などの維持管理も含む。)。…………………緑化
C 建物の色彩や看板などを周囲の景観にマッチするように努めている。………景観
D 社内報などを通じて環境保全意識の高揚に努めている。………………………高揚
E 家族も含めて自然に親しむ機会を設けている。…………………………………機会
F 公園の清掃など、地域の美化活動などに会社ぐるみ参加している。…………参加
G その他、関連すると思われる活動があれば、具体的に記載して下さい。………他
H 特別な活動はしていない。…………………………………………………………なし


「従業員の研修会を開催しているか」

「開催している」は33%であった。
 ただし、「開催していない」を調べてみると、外部の研修会への参加や月例会議、日常業務を通じての指導を行うなど、何らかの形で教育を行っている事業場がかなり見られた。


「環境教育に取り組んでいる事業場での実践例」

事業員の意識の高揚
 ・研修会、講習会、職場懇談会等の開催、朝礼の活用など
 ・標語、ポスターの募集、表彰、展示など
 ・環境関連資格取得の奨励、プロジェクトチームによる研究の推進など

事業場内の環境美化
 ・環境向上強化月間の設定など
 ・クリーン推進委員会による環境美化、緑化の推進など
 ・廃棄物の分別収集、減量化の徹底など

地域の環境美化
 ・従業員による事業場周辺の清掃奉仕など
 ・地域住民が行う環境美化活動への参加・協力・地域懇談会への開催、地域住民が行う料理講習会等への参加など


「企業として地域活動などにどのように参加していくべきか」

 ・地域とのコミュニケーションを深めてお互いの立場を理解しあう
 ・地域との話し合いの中から、企業が気づかない問題点などを発見できる
 ・会社の環境管理活動の基本方針は地域活動にマッチした快適環境づくりである
 ・会社全体で計画性を持ちながら積極的に地域の人たちと協力しあう
 ・地域活動に密着したものとすべきである
 ・会社の姿勢を従業員に示していくべきである
 ・事業場内の環境活動を活発化させたうえで地域活動に参加すべきである
 ・資金面での協力を行う
 ・どのような地域活動があるのか不明なので参加の余地がない


「環境教育をどのように推進すると効果的だと思うか」

 ・労働安全衛生面で実施する
 ・環境週間行事に会社ぐるみで積極的に参加する
 ・先進向上の実践例に学ぶ
 ・社外での研修会、講習会等に参加する
 ・会社の規模に応じた教育のモデルプランがあると良い


3 学校における環境教育

 環境教育は比較的定年齢層の時から始めるのが良いと考えられるので、家庭や学校における学習には大きな効果を規定することができる。
 学校における環境教育の現状を把握するため、国公立の小学校 225校(回答率98%)・中学校75校(回答率93%)と公・私立の高校36校(回答率 100%)を対象にアンケート方式による質問と具体的実施例についての調査を行った。


「環境教育の教材、教具について必要なものは何か」(複数回答)

 「VTR」が小学校94%、中学校93%、高校89%と、いずれも高い回答率を示した。「スライド」は小学校28%、中学校29%に対して、高校では42%と「VTR」に次ぐ高い回答を得た。
 また「副読本」「指導書」は小学校48%、45%、中学校39%、47%、高校31%、42%と比較的高い回答を得た。


「環境教育はいつごろから始めるのが良いか」

 「幼稚園」または「小学校低学年」との回答が多く、全体的には早い時期から始めるのが効果的であるとの回答を多く得た。


「学校での実施例」

 ・植物の観察や栽培に関するもの
  植物の栽培、田植えや稲刈りの体験、野菜づくり、学校林の手入れなど
 ・動物の観察や飼育に関するもの
  昆虫、魚、小鳥、小動物の観察、飼育、巣箱づくりなど
 ・環境美化に関するもの
  花壇づくり、清掃奉仕、空き缶拾い、洗濯やごみ出し実習など
 ・施設見学に関するもの
  浄水場、給食センター、汚水処理場、グリーンセンター、工場など
 ・野外活動に関するもの
  森林、川、浜、草原などでの自然観察、体験、オリエンテーリングなど
 ・ポスターや作文の作成に関するもの
  自然保護、水資源、ごみ処理、空き缶散乱防止、緑化推進など

 また各学校では次のような委員会、クラブ、部が、自然愛護、環境美化についての学習に取り組むとともに、PTAでは保護者または親子で多様な活動に取り組んでいた。
[飼育、栽培、園芸、緑化、図工、美化、科学、郷土研究など]

 さらに環境教育に用いている教材については次のようなものが報告されたが、いずれの学校においても教材の確保に苦労している状況がうかがえた。

[教科書、副読本、教師が作成したプリント、児童の学習成果のまとめ、新聞・雑誌の切り抜き、政府や県・市町村の広報、各種の行政報告、テレビ番組の活用、教育番組の録画の放映、各学校で作成したスライド、施設見学の際のパンフレットなど]


「その他、環境教育に対する意見」

 ・家庭や地域ぐるみでの取り組みが大切である
 ・自然破壊と自然保護の実態を教えるべきである
 ・自然に触れる時間を確保する必要がある
 ・学校行事、児童会活動等、教育活動全般を通して実施すべきである
 ・基本的な生活習慣をしっかり身につけさせることから始めるべきである
 ・学年ごとの指導計画を作成することが大切である
 ・研究会、先進校視察などを実施したい
 ・省資源、ごみの減量化、環境に配慮した商品の選択を指導する
 ・今日の豊かな社会と環境の関係について観察させる
 ・ボランティア活動に積極的に参加するような機会を多く作る
 ・学校とその周辺を美しい環境にする
 ・適切な情報が欲しい
 ・小学校から高校まで一貫した環境教育が必要である
 ・必要性は認識するが環境教育のための時間、予算がとれない
 ・教具、教材を提供してほしい(副読本、事例集、視聴覚教材など)
 ・予算を確保してほしい(野外活動、施設見学など)
 ・環境教育実践の場や総合的研究システムなどを整備してほしい


4 行政における環境教育

 行政においては自然保護、公害の防止、廃棄物の処理、道路や河川の愛護、緑化の推進、その他さまざまな部門ごとに普及啓発活動を行っている。
 県は広域的な立場で、市町村は住民に密着した立場で県民に対する普及啓発活動を推進してきた。


「行政と環境教育とのかかわり」

自然保護
 ・自然環境の保全
 ・自然愛護思想の高揚
 ・自然公園の施設整備
 ・鳥獣の保護、狩猟の適正化
 ・野生生物の保護

環境の保全、衛生など
 ・環境汚染の未然防止と監視、環境に与える影響の自然評価
 ・廃棄物の適正処理、清潔の保持、公衆衛生の向上
 ・賢い消費者の育成、省資源・省エネルギーの推進
 ・節水、水資源の効率的利用
 ・下水道などの生活環境施設の整備

公共施設の管理(安全確保や清潔保持など)
 ・道路、公園、河川、海岸、港、ダムなどの保全や愛護思想の高揚
 ・公会堂や体育館などの利用者に対する呼びかけ

産業の振興
 ・企業における職場環境づくりの推進
 ・農山漁村の快適な生活基盤づくり
 ・農林水産業への理解を深めるための体験学習
 ・森林の保全、良好な漁場の確保など

教育
 ・学校教育
 ・生涯学習の推進
 ・社会福祉施設、試験研究期間、研修機関などでの教育や訓練

快適環境の創造
 ・うるおいややすらぎを配慮した道路、河川などの整備
 ・景観に配慮した公共施設の整備
 ・緑化の推進と思想の普及・啓発
 ・雪と調和した快適な環境の創造


「行政における環境教育の具体例」

週間や月間行事などの実施
 ・環境週間、愛鳥週間、みどりの週間、観光週間、環境衛生週間など
 ・河川愛護月間、道路を守る月間、省エネルギー強調月間など
 ・自然公園クリーンデー、省エネルギーの日、社会奉仕の日など

啓発物の配布など
 ・パンフレット、チラシ、広報紙、ポスターなど
 ・啓発用看板の設置、空きびん分別収集のためのかごの設置など
 ・コンポスト設置に対する助成など
 ・街頭啓発など

展示会、講座などの開催
 ・消費生活展、環境パネル展、講座、講演会など

体験学習会、見学会の実施
 ・野鳥教室、天文教室、自然観察部、施設見学会など

地域活動実践の呼びかけ
 ・環境美化、清掃実施活動(河川、海、道路、観光地、自然公園など)
 ・空き缶、空きびん、牛乳パック、廃油、粗大ごみの分別回収やリサイクル

運動など
 ・花のまちづくり、花いっぱい運動など

団体の育成・支援
 ・団体への補助、モデル事業、指導者の育成など

学校教育との連携
 ・副読本(自然保護、消費生活など)教材、情報の提供まー
 ・ふれあい学習、樹木による大気浄化能力度調査、水生生物による水質調査の実践、ポスターや作文募集の呼びかけなど

社会教育との連携
 ・情報の提供、講師の派遣など
 ・環境関連講座の開設の呼びかけ

施設等の整備や管理運営
 ・体験の森、グリーンパーク、自然公園、花壇など
 ・公害センター、自然保護センターなどの環境に関する施設
 ・農業試験場、グリーンセンター、水産試験場などの試験研究機関
 ・公民館、図書館、博物館、資料館などの社会教育施設
 ・水辺の景観、遊歩道、観光地周辺計画整備など
 ・市街地の緑化(街路樹)、電線の地中化、駐輪場の整備、道路、橋、うるおいのある都市河川の整備など


U−2 環境教育の課題

 県民の環境に関する学習や活動は、さまざまな分野で幅広く展開されており、その成果も高まってきている。
 しかしながら、環境教育に関する現状を把握するなかで、いくつかの解決すべき課題も見られた。
 今後、環境教育を推進していくうえにおいて、これらの課題に適切に対応していく必要がある。


1 環境教育についての考え方の確立

 環境に関する学習や活動が、さまざまな形で進められているなかで、環境教育を推進していくためには、環境教育についての考え方を明らかにしたうえで、広く国民の理解を深めていかなければならない。
 この場合、環境教育の意味、必要性、目標、役割分担など基本的なことがらについての考え方を明示する必要がある。


2 県民の環境に対する関心の高まりへの対応

 県民の意識調査において、「今後、環境に関する活動に参加したいと思っているか」の問いに対して「どちらかと言えば参加・協力したい」を含めて94%の人が参加したいと答えていた。
 また企業や学校についての調査のなかでも、環境に対する関心の高さがうかがえた。
 こうした関心の高まりを適切に対応しながら広く県民の間で環境教育に取り組む人々の輪が広がるように努めていく必要がある。


3 情報の不足への対応

 環境への関心が高まっているなかで、一方では情報の不足を強く訴えていた。
 県民の意識調査においては「どのような団体があるのかわからない」との回答が30%も見られるほか、行政に対する要望としては「情報の提供」が47%と「施設整備」の53%に次ぐ回答を得ている。
 企業においては「どのような地域活動があるのか不明なので参加の余地がない」との回答が見られ、学校においては教材の確保に苦労している様子がうかがえた。
 このような状況をふまえて、的確な情報を効果的に提供していくように努める必要がある。


4 環境教育の効果的推進への対応

 環境教育を効果的に推進するためには、県民が行う学習や活動の内容、効果的な進め方を示すとともに、検討を重ねてその充実に努めていく必要がある。
 また学習や活動を支援する方策については、情報の効果的、効率的な提供、地域で中心となる指導者の育成、活動団体に対する支援、学習や活動の場づくりなどについて整備を進める必要がある。