環 境 保 全 率 先 実 行 計 画
− エ コ ロ ジ カ ル な 行 政 を め ざ し て −
平成9年3月 福井県
→[概要]
今日、都市化の進展や科学技術の発達により、生活の利便性が高まる一方で、
資源やエネルギーが大量に消費され、地域のみならず地球全体の環境にも大きな
影響を及ぼすようになってきた。
こうした状況を踏まえ、県では、将来にわたって健全で恵み豊かな環境を維持
するため、平成7年に福井県環境基本条例を公布・施行した。
本条例では、一人ひとりが自らの日常生活や経済活動のあり方を見つめ直し、
県民、事業者および行政の各主体が、環境の保全に向け積極的に行動していくこ
とが求められている。
県においては、消費者・事業者としての経済活動に占める割合が大きいこと、
また、県民、事業者および市町村に対し自主的積極的な行動を求めるためにも、
県自らが率先して環境負荷の低減に向けた取組が必要である。このため、県の各
機関が環境保全に向けて実施する行動計画「環境保全率先実行計画−エコロジカ
ルな行政をめざして−」を以下のとおり策定する。
なお、各機関は、業務の特性に応じて本計画に掲げられていない環境保全施策
についても、自主的に推進することとする。
この計画の実施期間は、平成9年度から平成13年度までの5ケ年を対象とし
、目標年次は、特に明示されていないものは平成13年度とする。なお、実績、
技術の進歩等を踏まえ、必要に応じ見直しを行うものとする。
目次
T.消費活動における環境への配慮 ………… 2
U.建築物の建設に当たっての環境への配慮 ………… 5
V.建築物の管理に当たっての環境への配慮 ………… 7
W.公共工事に当たっての環境への配慮 ………… 8
X.職員の環境保全意識の向上等 ………… 9
Y.計画の推進体制の整備と実施状況の点検 ………… 10
T.消費活動における環境への配慮
1.省資源の推進
ア 紙類の削減
○バージンパルプの使用量を平成7年度比で15%削減する。
・用紙類は、可能な限り再生紙に切り替える。
・用度品の封筒などは、可能な限り古紙の混入したものとする。
・用紙類は、古紙混入率のより一層高いものにする。
・外注等による印刷物等の作成には、可能な限り再生紙を用いる。
○用紙類の使用量を平成7年度比で10%削減する。
・会議資料等のより一層の簡素化を推進する。
(1枚がベスト運動の推進)
・A4判化の徹底による文書の一層のスリム化を図る。
・資料の両面印刷、両面コピーを推進する。
・使用済み用紙の裏面の利用を図る。
・使用済み封筒の再利用を図る。
・電子メディアを利用したペーパーレス化に努める。
イ 水の削減
○水使用量を過去5年間(3年度〜7年度)の平均値比で10%削減する。
・トイレの流し水や手洗い水を必要最小限に抑制する。
・給湯室において水の流しっぱなしをやめる。
・芝生や植木などへの散水は、効率的、計画的に行う。
・効率的な融雪に努め、融雪に用いる水の使用を可能な限り抑制する。
・節水機器の開発状況等を考慮し、節水バルブやトイレの擬音機器な
どの導入に努める。
・水を使用する機器の更新に当たっては、節水型のものを選択する。
ウ 再生品等の利用
○初めて使用する原材料から作られた製品の使用を抑制する。
・文具等は、再生材料から作られたものを極力使用する。
・リサイクルルートの確立している製品の使用を推進する。
・間伐材などの利用状況の少ない原材料から作られた製品の使用を推
進する。
2.省エネルギーの推進
ア 電気の削減
○電気使用量を過去5年間(3年度〜7年度)の平均値比で5%削減する。
・照明機器を老朽化したものから省エネ型機器(インバータ方式)に
更新する。
・複写機などのOA機器の更新時には、国際エネルギースターマーク
表示の機種など省エネルギータイプの機種を選択する。
・OA機器以外の電気製品の更新時には、エネルギー効率の高い機種
を選択する。
・休息時間中の消灯を推進する。
・不要な照明の消灯を心掛ける。
・残業時の照明点灯時間の短縮や水曜日の定時退庁を徹底する。
・OA機器等はこまめに電源を切る。
・直近階への階段利用などを推進し、エレベータの使用回数の削減に
努める。
・冷蔵庫の内容物を内容積の1/3以下にし、ドア開閉の回数を減らす。
・庁舎内の自動販売機の設置状況を精査し、台数の削減およびエネル
ギー消費の少ない機器への変更を呼び掛ける。
イ 燃料の削減
○冷暖房等に用いる燃料使用量を平成7年度比で10%削減する。
・空調の適温化(冷房時28℃、暖房時20℃)を一層徹底する。
・冷暖房時には、室内の密閉など空調の効率向上を図る。
・ボイラー等の更新時には、熱効率のより高い機種を選択する。
・省エネルギー推進に対応し、勤務中の服装のあり方を検討する。
○公用車の燃料使用量を平成7年度比で15%削減する。
・公用車の更新時には、燃費がよいもの、必要最小限の大きさのもの
を選択する。
・不要なアイドリング、空ふかし、急加速等を控える。
(アイドリングストップ運動の推進)
・公共交通機関の利用を促進し、公用車の使用を抑制する。
・相乗りや渋滞道路の回避など計画的運行を図る。
・使用実態等を精査し、台数の削減を極力図る。
3.廃棄物発生量の抑制等
○紙類のリサイクル率を80%以上にし、可燃ゴミの廃棄量を平成8年度
比で30%削減する。
・用紙類の分別をより一層徹底する。
・シュレッダーの使用を必要最小限に抑える。
・使い捨て製品の購入・利用を抑制する。
・過剰包装された製品の購入を極力控える。
○不燃物の分別回収を徹底し、その廃棄量を平成8年度比で70%削減す
る。
・瓶・缶等のリサイクルボックスを設置する。
・使い捨て製品の購入・利用を抑制する。
・詰め替え可能な製品等を積極的に使用する。
・備品等の長期使用に努める。
○備品等の廃棄に当たっては、適正処理を行う。
・冷蔵庫や自動車の廃棄時には、フロンの回収を行う。
・廃棄物の処理ルールを遵守し、適正な処理に努める。
・処分費など応分の負担を行う。
4.環境負荷の少ない製品・原材料の使用
○用度品の購入に当たっては、環境ラベリング商品(エコマーク等)など環
境負荷の少ない製品を選択する。
○低公害車や最新排ガス規制適合車等使用段階での環境負荷の少ない製品
の導入を極力図る。
○その他の製品の購入に当たっても、生産・使用・廃棄の段階で環境負荷
の少ない製品を選択する。
U.建築物の建設に当たっての環境への配慮
1.省資源の推進
○建設材料の使用削減等を推進する。
・熱帯雨林の木材を使用した合板型枠材料の削減を図る。
(福井県の営繕工事における熱帯雨林保護対策実施要領)
・金属など木材以外の型枠の利用を検討し、その活用に努める。
・建設廃棄物の排出抑制・再利用を推進する。(→p.8 Wの3項参照)
・再生された、また再生できる資材を可能な限り活用する。
○水利用の合理化等を図る。
・トイレの流し水や植木の散水等への雨水利用に努める。
・自動水栓等節水に有効な器具の導入を推進する。
・排水処理水等の利用方法を検討し、その活用に努める。
・透水性舗装や浸透升等の設置など地下水の涵養を図る。
2.省エネルギーの推進
○自然エネルギー等の導入を推進する。
・給湯施設等へのソ−ラ−温水機の導入に努める。
・モニュメントへ太陽電池を導入するなど太陽光発電の利用に努める。
・通風や採光など自然エネルギーの活用に努める。
・冷暖房施設等に熱回収蓄熱式ヒ−トポンプの機器を採用する。
・敷地の融雪に地熱等の利用を図る。
・雪冷房システムなど雪エネルギーの利用を図る。
○廃熱等未利用エネルギーの利用を検討し、その活用に努める。
○断熱効果の高い建物の建設を推進する。
・建築物の外壁に断熱材を用いる外断熱など、より一層の高断熱化に
努める。
・窓の2重化、ペアガラス等の採用により高気密、高断熱化を図る。
○Hfインバータ蛍光灯器具など省エネルギー型のものを採用する。
3.建設廃棄物の排出抑制・再利用等 (→p.8 Wの3項参照)
○建設廃棄物や建設発生土の排出抑制を推進する。
○建設廃棄物等のリサイクルを推進する。
○建設廃棄物等の適正処理のより一層の徹底を図る。
4.環境負荷の少ない施工作業の実施
○熱帯雨林の木材を使用した合板型枠材料等の一層の効率的使用や使用削
減など合理的施工法の採用を受注者に促す。
○建設機械等の排出ガス、騒音、振動等の抑制による公害の防止を受注者
に促す。
○建設廃棄物等のリサイクルや適正処理を受注者に促す。
5.汚染物質等の排出抑制
○適切な汚染物質処理施設の設置等を図る。
・適用可能な処理施設を設置し、大気汚染物質および水質汚濁物質の
排出量等の一層の削減を図る。
・ボイラ−等ばい煙発生施設の設置に当っては、灯油、LPG等の環
境負荷の相対的に小さい燃料を採用する。
○汚染物質等の回収・適正処理を推進する。
・既存建築物に使用されているアスベストの回収・適正処理のより一
層の徹底を図る。
・既存建築物に使用されているフロンやハロンの回収・破壊処理を推
進する。
・冷暖房施設、消火施設の導入に当っては、代替フロンやハロンを使
用しない機器を可能な限り採用する。
6.その他環境への配慮
○緑化を推進する。
・可能な限り緑地の確保を図る。
・可能な限り建築物の屋上等の緑化を図る。
○公共施設整備における環境・景観検討委員会の積極的な活用を図り、自
然環境の保全、地域環境に調和したデザインあるいは美しい景観づくり
を推進する。
○建設から管理・解体までのライフサイクルコスト手法を研究し、その採
用に努める。
○公共施設の建設地域(イベント等の開催地も含む)の選定に当たっては、
可能な限り公共交通機関の利用に配慮する。
V.建築物の管理に当たっての環境への配慮
1.省資源・省エネルギーの推進
○水利用の合理化等を図る。(再掲)
○自然エネルギー等の導入を推進する。(再掲)
○廃熱等未利用エネルギーの利用を検討する。(再掲)
○気密性の高い建具の導入を推進する。
○Hfインバ−タ蛍光灯器具など省エネルギー型のものを採用する。
(再掲)
○空調の適温化のより一層の徹底を図る。(再掲)
2.環境汚染等の防止の推進
○ばい煙発生施設および特定施設の適正な管理のより一層の徹底を図る。
・施設の日常の適切な点検管理や、発生する汚染物質の排出量等の把
握に努める。
・排出基準および排水基準等を順守する。
・適用可能な処理施設を設置し、大気汚染物質および水質汚濁物質の
排出量等の一層の削減を図る。(再掲)
・ボイラ−等ばい煙発生施設の改修・更新に当っては、灯油、LPG
等の環境負荷の相対的に小さい燃料への改善に努め、大気汚染物質
の排出量等の一層の削減を図る。(再掲)
○その他環境汚染物質等の排出を抑制する。
・既存建築物に使用されているアスベストの回収・適正処理のより一
層の徹底を図る。(再掲)
・既存建築物に使用されているフロンやハロンの回収・破壊処理を推
進する。(再掲)
3.緑化等の環境整備と保全の推進
○敷地等の緑化を推進し、植え込み等の適切な維持管理に努める。
○敷地や側溝等の管理を適切に行い、美観の保持に努める。
○各種の施設整備等に当っては、良好な大気や水域、生態系の確保、景観
の保全など、周辺地域の環境との調和に配慮する。
W.公共工事に当たっての環境への配慮
1.省資源の推進
○建設材料の使用削減等を推進する。
・熱帯雨林の木材を使用した合板型枠材料の削減を図る。(再掲)
・金属など木材以外の型枠の利用を検討し、その活用に努める。
(再掲)
・資材の無梱包化や実寸発注等に努める。
・建設廃材の排出抑制・再利用を推進する。(→p.8 Wの3項参照)
・再生された、また再生できる資材を可能な限り活用する。(再掲)
・構造物等の長寿命化や舗装サイクルの延長を検討し、実施する。
2.省エネルギーの推進
○自然エネルギーの導入を推進する。
・道路標示板等に太陽電池の利用を推進する。
・道路の融雪に地熱等の利用を図る。
3 建設廃棄物の排出抑制・再利用等
○平成12年に、建設廃棄物の予想発生量の10%弱を抑制する。
平成12年に、建設廃棄物のリサイクル率を80%、建設発生土のリサ
イクル率を70%にする。
将来的には、再利用困難なものを除き、建設廃棄物の処分量をほぼゼロ
にする。
・熱帯雨林の木材を使用した合板型枠材料の削減を図る。(再掲)
・合板以外の型枠の利用を検討し、その活用に努める。(再掲)
・資材の無梱包化や実寸発注等に努める。(再掲)
・構造物等の長寿命化や舗装サイクルの延長を検討し、実施する。
(再掲)
・建設廃棄物の利用基準等の統一化を図り、受注者にリサイクルの徹
底を求める。
・工事現場内での再利用を推進するとともに、他業界のリサイクル材
の受入れ、活用に努める。
・再利用技術の普及や再資源化施設の整備を促進する。
・リサイクル社会の形成に努める。
○建設廃棄物の適正処理のより一層の徹底を図る。
・処理業者と適正処理に関する委託契約の締結を受注者に求める。
4.緑化の推進
・可能な限り緑地の確保を図る。(再掲)
・道路の緑化済実延長を平成4年度比で平成9年度末までに40%、
将来的には100%増やす。
・法面の再緑化率を、平成9年度末までに30%、将来的には概ね
100%にする。
・法面等の緑化には、在来種を植栽し、再自然化に努める。
・道路や街路の緑化に当たっては、景観や大気浄化能力等に配慮して
樹種を選定するとともに、適正な維持管理に努める。
5.生態系の保全や自然環境の保護
○森林の持つ機能や特性に応じた森林整備を推進するとともに、周辺の自
然環境特性を踏まえ、生物の生息環境の維持・回復に一層配慮する。
○河川改修や護岸工事に当たっては、多様な生物が生育と再生を繰り返せ
るよう、魚道、魚巣、沈床等、生物の生息環境の保全・保護に資する工
法を採用する。
6.その他の環境への配慮
○公共施設整備における環境・景観検討委員会の積極的な活用を図り、自
然環境の保全、地域環境に調和したデザインあるいは美しい景観づくり
を推進する。(再掲)
○公共工事および公共施設の環境への負荷を極力抑えるとともに、周辺環
境との調和を図るため、必要に応じ環境影響評価等を実施する。
○建設機械等の排出ガス、騒音、振動等の抑制を受注者に促す。(再掲)
X.職員の環境保全意識の向上等
○自治研修所において環境保全に関する研修を計画的に導入する。
○地域の環境美化など環境保全に関する活動に積極的に参加する。
○環境保全に関するシンポジウム・講演会などへの自主的・積極的な参加
に努める。
Y.計画の推進体制の整備と実施状況の点検
1.推進体制の整備
○庁内各課および出先機関の建物管理の課に推進責任者をおく。
○推進責任者は、職場において率先実行を啓発するとともに、年度末ごと
に環境保全に関する取組み状況等を把握する。
2.進捗状況の把握
○地球環境問題連絡会議は、年度ごとに率先実行計画の進捗状況を推進責
任者を通じて把握する。
○計画の進捗状況を庁議に報告するとともに環境白書等において公表する。
○率先実行計画の総合的な評価方法について調査・研究する。
率先実行計画推進体制
進捗状況調査票
┏━━━┓ 発送・回収
┃地 ┃ ┏━━━┓
┃ ┃ ┌─ 総 務 部 管 財 課 ───┃ ┃
┃球 ┃ │ ┃ ┃
┏━┓ ┃ ┃ ├─ 県民生活部 環境政策課 ───┃各 出┃ ┏━┓
┃庁┃ ┃環 ┃ │ ┃ 先┃ ┃職┃
┃ ┃ ┃ ┃ ├─ 福祉保健部 福祉政策課 ───┃ 機┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃境 事┃ │ ┃課 関┃ ┃ ┃
┃ ┃ 報告┃ 務┃ ├─ 商工労働部 商工政策課 ───┃ ┃啓発┃ ┃
┃ ┃←−−┃問 局┃─┤ ┃ ┃─→┃ ┃
┃ ┃ ┃ ┃ ├─ 農林水産部 農林水産政策課 ─┃ 推 ┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃題 環┃ │ ┃ 進 ┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃ 境┃ ├─ 土 木 部 監 理 課 ───┃ 責 ┃ ┃ ┃
┃議┃ ┃連 政┃ │ ┃ 任 ┃ ┃員┃
┗━┛ ┃ 策┃ ├─ 企 業 庁 総 務 課 ───┃ 者 ┃ ┗━┛
┃絡 課┃ │ ┃ ┃
┃ ∧┃ └─ 教 育 庁 総 務 課 ───┃ ┃
┃会 集┃ ┗━━━┛
┃ 計┃
┃議 ∨┃ 公表
┃ ┃───→ 環境白書等
┗━━━┛
ERC.PREF.FUKUI.JP
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