◆ふくいの巨木 60.丹生のクロマツ林

 ●丹生(ニウ)のクロマツ林
    樹 種  クロマツ(マツ科)
    幹周り  2.7〜 4 m
    樹 高  約15〜20 m
    樹 齢  約200年
    所在地  三方郡美浜町丹生
    所有者  関西電力

 美浜町佐田で国道27号線と分かれ、海岸線を北上すると丹生の関西電力美浜 原子力発電所に着く。佐田から約9kmの道のりに沿って広がる白砂青松は、ま さに絶景で、花崗岩質の白砂がまぶしくきらめく水晶ヶ浜に至って究極となっ ている。しかし一方、右手の山腹は、菅浜、竹波を通り過ぎた辺りから発電所 に至るまで、マツクイムシによって枯死した松が痛々しい姿をとどめている。
 水晶浜を過ぎてしばらくすると、丹生の入江をまたぐ美しいアーチの丹生大 橋が目に入ってくるが、それを渡り切った所に砂浜が開け、そこに数十本のク ロマツがある。根上がりの松で、幹周り3 mを越えるものが多い。関西電力で は、これらのクロマツ林の保護に力を注いでおり、マツクイムシの防除は言う までもなく、破損部分の保護を専門家に依頼しているとの事である。
 クロマツは本州、四国、九州に分布し、北限は青森県下北半島で、南限はト カラ列島の宝島である。なお、北海道に見られるものは植栽されたものである。
 第二次世界大戦中に松から松脂をとったが、その跡が橋の手前のクロマツに 残っている。

(文:上坂正夫 写真:吉澤康暢)



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