◆ふくいの巨木 54.杉森神社のオハツキイチョウ

 ●杉森神社のオハツキイチョウ   ・国指定天然記念物
    樹 種  イチョウ(イチョウ科)
    幹周り  3.5 m 3.4 m
    樹 高  約36 m 約39 m
    樹 齢  約100年
    所在地  大飯郡高浜町六路谷
    所有者  杉森神社

 高浜町と京都府舞鶴市を結ぶ吉坂トンネルの手前200m程の所に杉森神社があ る。国道のすぐ傍にある鳥居の左側に、昭和15年3月建立の石碑があり「天然 記念物御葉附銀杏」と掘られた文字が読み取れる。
 オハツキイチョウは、社殿手前西側と東側の山腹に一株ずつあり、共に雌株 で枝枯れもなく樹勢盛んである。
 植物の花は生殖器官であり、葉が進化して出来たものであるが、葉上で結実 する事によりこの名を付けられたオハツキイチョウは、その証拠となる貴重な 植物である。しかし、ここの境内に落ちている果実を実際に調べてみても葉上 に付いたものは見当たらず、葉上で結実する割合は相当少ないと思われる。
 社叢の林床や石垣には、イタビカズラ、ジャノヒゲ、ヤブミョウガ等が見ら れ、境内にはスギ、ヒノキ、アスナロ、タブノキ、カヤ、ヤマモミジ等が繁り、 昼なお暗い神社の森となっている。
 なお、社殿右側には昭和50年1月24日高浜町指定のボダイジュがある。樹周 1.45 mであるが、下から5 m位の所で折れ、残念ながら当時の面影はない。

(文:上坂正夫 写真:吉澤康暢)



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