◆ふくいの巨木 53.萬徳寺の大ヤマモミジ
●萬徳寺の大ヤマモミジ
・国指定天然記念物
(国の指定名称「萬徳寺のヤマモミジ」)
樹 種 ヤマモミジ(カエデ科)
幹周り 3.7 m
樹 高 約15 m
樹 齢 約400年
所在地 小浜市金屋
所有者 高野山真言宗萬徳寺
JR東小浜駅から南へほぼ2kmの地点に萬徳寺がある。石段を上って山門に
入り、客殿の南にまわると枯山水の庭に出る。その庭園の一隅は斜面になって
いて、そこに大ヤマモミジがある。書院から眺めるとこのモミジは、波立たせ
て敷きつめられた白砂、刈込まれたツツジ、背景の山麓の杉と見事に調和し、
真に一幅の絵の様である。
この庭園は江戸時代初期に造られたもので、若狭藩主酒井忠勝公がしばしば
訪れて賞(メ)でてやまなかったそうで、今は国の指定名勝地となっているが、
残念な事に、この大ヤマモミジにサルノコシカケが寄生し著しく樹勢衰え、平
成元年2月に南側の分岐した幹が折れ、現在残るのは北側のみで往年の偉容は
ない。それでも、春の若葉、秋の紅葉は見事なもので、訪れる人は後を断たな
い。
なお、当寺にはこれらの他に、国指定の木造阿弥陀如来坐像、絹本著色弥勒
菩薩像、絹本著色不動明王山童子像など、数多くの重要文化財があり、更には
この付近一帯が文化財の宝庫となっていて、国宝めぐりのバスも出ている。
(文・写真:上坂正夫)
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