◆ふくいの巨木 48.伊射奈伎神社のウラジロガシ

 ●伊射奈伎(イザナギ)神社のウラジロガシ  ・県指定天然記念物
    樹 種  ウラジロガシ(ブナ科)
    幹回り  4.83 m
    樹 高  約18 m
    樹 齢  約600年
    所在地  大飯郡大飯町福谷
    所有者  伊射奈伎神社

 佐分利(サブリ)川上流近くの福谷区に伊射奈伎神社がある。鳥居をすぎると すぐに石段があり、その左側にウラジロガシがある。よく繁った枝が、2本の 柱によって支えられているのがまず目に入る。 幹は空洞で樹皮に蘚苔(センタ イ)類(コケ類)が着生し、 ノキシノブが点在する様は、老樹・古木の名と共 に時代を経てきた風格さえ感じさせる。残念な事には、つい先頃の(平成2年) 台風で、幹の部分が3分の1ほど裂け本体より分離してしまった。樹勢の衰え が目立つとはいえ、柱で支えられた枝には葉が繁っているので、今後とも保護 管理が重要な課題となろう。
 この神社の境内にはツガ、ウラジロガシ、ツバキ、タブノキ、シイ、スギ、 サカキ等の巨木がある。
 ウラジロガシは庭園樹として利用される他、小枝や葉を細かく刻んで日干し にしたものは胆石症、腎結石症に効果があるので、民間薬として利用される。
 なお、この神社は式内社で若狭国神名帳にも記載されていて、正保2年(16 45)に小浜藩主酒井忠勝公により神殿が補修された。

(文:上坂正夫 写真:吉澤康暢)



ERC.PREF.FUKUI.JP