◆ふくいの巨木 46.小川神社のカゴノキ

 ●小川神社のカゴノキ      ・県指定天然記念物
    樹 種  カゴノキ(クスノキ科)
    幹回り  5.34 m
    樹 高  約13 m
    樹 齢  約300年
    所在地  三方郡三方町小川
    所有者  小川神社

 三方町常神半島の中程に小川集落があり、このはずれに小川神社がある。こ のあたりは中京、京阪神からの釣り客が多いため、この神社近くまで道路が整 備され駐車場等もある。
 神社境内にはツバキ、モチノキ、タブノキ、イチョウ等があり、社殿に向か
う石段右側にカゴノキがある。このカゴノキは雌株で、主幹下部にはコブ状の 隆起が見られ、奇観を呈しているが残念ながら幹の上部と大枝に枯損が見られ、 衰弱は隠しきれない。
 嶺南地方では、この小川神社のカゴノキの他に県指定天然記念物の小浜市若 狭姫神社裏山の社叢に見られる直径約90cmのカゴノキ、市指定天然記念物の敦 賀市赤崎地区八幡神社のカゴノキが有名である。
 なお、樹皮が円い薄片となって点々と脱落し、その跡が白く鹿の子模様とな っている事からカゴノキと呼ばれているこの木は、本州関東以西、四国、九州、 沖縄、更には台湾まで広く分布している暖地性の植物であるが、日本海側では この若狭湾が北東限となっている点で貴重な存在といえよう。
 小川神社の裏山はまた、スダジイ−モチノキ−ホソバカナワラビ群集で、県 内では組成的に貴重なスダジイ林である。

(文:上坂正夫 写真:吉澤康暢)



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