◆ふくいの巨木 45.依居神社の大モミ

 ●依居(エゴ)神社の大モミ     ・県指定天然記念物
    樹 種  モミ(マツ科)
    幹回り  6.29 m
    樹 高  約40 m
    樹 齢  約600年
    所在地  大飯郡大飯町岡安
    所有者  依居神社

 佐分利(サブリ)川に沿ってしばらく遡ると、右手に岡安地区が見えてくる。 その地区の中心部は神社の森となっていて、遠くからでも容易に一望でき、中 でも際立っているのが大モミである。この木を目標に地区への小道をすすむと、 突き当たりに依居神社がある。神社にたどり着くまでに2つの鳥居がある。1 番目の鳥居に向かって右手に、ヒイラギの古木がある。相当の年輪を経ている のであろうか、鋸歯(キョシ)のない葉が殆どである。スギ、サルスベリを見て 2番目の鳥居をくぐると広場があり、スギ、クスノキ、イチョウ、タブノキ等 が植栽されていて、正面右に大モミがある。この樹の先端近くは、60年程前に 風害で折れたそうで、雨水が樹に入らないようにセメントで固めてはあるが樹 勢はなお盛んである。平成元年に入って、境内で遊ぶ子供達の危険防止のため、 上部の枯死した枝は取り除かれた。
 依居神社には応神天皇が祀られ、延年元年(923)の創建と伝えられている。 若狭藩主・酒井忠勝公はこの神社を尊崇し、寺社奉行をしてめし抱えの能師を 引率して奉能することを常とし、社頭一丈餘におよぶ五葉の松を手植えされた そうだが、残念ながらこの五葉の松は今は見受けられない。

(文:上坂正夫 写真:吉澤康暢)



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