◆ふくいの巨木 42.西福寺のスダジイ

 ●西福寺(サイフクジ)のスダジイ     ・敦賀市指定天然記念物
    樹 種  スダジイ(ブナ科)
    幹回り  7.5 m 12.3 m
    樹 高  約7.5 m 11.5 m
    樹 齢  約300年
    所在地  敦賀市原町
    所有者  西福寺

 西福寺の御影堂(ミエイドウ)に至る石段を登ると、左右にスダジイの古木が ある。御影堂に向かって左側の木は梢が枯れ、樹高がやや低くなっているが、 下部の枝張りや葉の繁りは良い。右側の1株は、下部から空洞が広がり、樹周 4.38 mと3.78 mの2つに分岐している。両株とも樹勢はそれ程衰えず、古木の 品格があり、境内の花崗岩の砂との調和が美しい。
 シイは照葉樹の代表的樹種のひとつで、本州福島県、新潟県以西、四国、九 州、沖縄に多く分布し、この嶺南地方でも社叢を中心に数多くのスダジイの巨 木が今に残っている。
 なお、当寺は、正平23年(1368)良如(リョウニョウ)上人により建立された 北陸有数の名刹で「西福寺書院庭園」等、数々の文化財を現在に伝えているが、 この上人が飢饉の時、人々を飢餓から救わんとしてこれらのシイを植えられた との事である。

(文・写真:上坂正夫)



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