◆ふくいの巨木 41.苅田姫神社のムクノキ
●苅田姫(カリタヒメ)神社のムクノキ ・県指定天然記念物
樹 種 ムクノキ(ニレ科)
幹回り 7.5 m
樹 高 約17 m
樹 齢 約300年
所在地 遠敷郡名田庄村下
所有者 苅田姫神社
名田庄村下区の旧道をたどると苅田姫神社がある。大正11年10月に建てられ
た鳥居をくぐると、左側にムクノキ、スギ、エノキ、イチョウが、右側にはス
ギ、ツバキ、サクラ、モミジ等が見られ、社殿右横にムクノキがある。
この木は、高さ10 mの所で主幹が折れているが、この主幹にはノキシノブ等
のシダ植物が付着していて老樹にふさわしい趣をなしている。樹勢はなお盛ん
で、このムクノキの林床にはベニシダ、ヤブラン、タニイヌワラビ、フユイチ
ゴ等が見られ、更にムクノキの芽生えもある。
ムクノキは関東地方以西に見られる暖地性樹木で、根が板状になっているの
が特徴的で巨樹も多いが、幹回りが7 mを超える木はそう多くない。
なお、ムクノキは葉面に剛毛があり、ざらざらしていて物を磨きはがすこと
からムクノキという和名がつけられたそうで、この性質を使って細工物を磨く
のに用いる一方、堅牢な幹は農工具の柄、野球バット、船の櫂(カジ)等に利用
する。
(文:上坂正夫 写真:吉澤康暢)
ERC.PREF.FUKUI.JP