◆ふくいの巨木 40.金山彦神社のイチョウ
●金山彦(カナヤマヒコ)神社のイチョウ ・敦賀市指定天然記念物
樹 種 イチョウ(イチョウ科)
幹回り 7.7 m
樹 高 約19 m
樹 齢 約300年
所在地 敦賀市金山
所有者 金山彦神社
国道27号線金山交差点近くに金山彦神社がある。神社裏は国道に面していて、
こちら側からも大きなイチョウが見える。国道から少し奥まった所が正面で、
鳥居をくぐり境内に入ると、すぐ右手に市指定天然記念物のハゼノキがあり、
イチョウ、スギ、ケヤキ、ヒノキ、タブノキ等も生い繁っている。社殿の右に
雄株のイチョウの巨樹がある。高さ5〜6 mの所で主幹は欠損しているが、脇
から出た枝が幹となり高く聳えていて、県内でも代表的なものであろう。主幹
下方にはイチョウ特有の乳(気根(キコン))が、かなり多く垂れ下がっていて
樹勢はなお盛んである。
福井県神社誌によると、この金山彦神社のイチョウは古来より乳の神と称え
られ、乳不足の婦人はこの皮を煎じて飲めば神徳により直ちに奇特があるとし
て、崇敬者が近郷遠方より来たそうである。
なお、現在、この木は樹勢が盛んであるが、表皮、皮層等の一部に損傷が見
られ、補強策を講じているとの事である。
ところで、イチョウは一科一属一種の植物で、地質時代の残存植物で「生き
た化石」と言われている。現在までのところ自生地は知られておらず、社寺等
に植栽され、全国的にも巨木が残っている。
(文・写真:上坂正夫)
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