◆ふくいの巨木 37.善福寺のイトザクラ

 ●善福寺のイトザクラ
    樹 種  イトザクラ(バラ科)
    幹回り  3 m
    樹 高  12 m
    樹 齢  約150年
    所在地  丹生郡清水町大森
    所有者  善福寺

 福井方面からの道では、大森集落の清水診療所前を右に入ると、道路に面し て善福寺がある。境内の道路側に立っている。名のとおり細い枝が垂れ下がり、 普通にはシダレザクラ(枝垂桜)と呼んでいる。多くのサクラの樹皮は皮目は 横じまで、若い木ではつやがあるが、本株では縦に裂けている。樹勢はよく、 開花時は見事に花を着け、付近の名物となり参詣者を楽しませている。花が終 わる頃には、色があせて白っぽくなるので、土地の人はウスズミザクラとも呼 んでいる。
 イトザクラは、ヒガンザクラの1種であるウバヒガンザクラの1変種とされ ている園芸品種である。ヒガンザクラは関東地方に多く植栽されているので、 地方名をとりエドヒガンとかアズマヒガンの名がついた。ウバヒガンともいい、 春の彼岸の頃に花を開き、多くのサクラがそうであるように花の時期に葉(歯) がないことに由来する。
 なお、濁点のないヒカンザクラがある。カンヒザクラ(2〜3月に赤い花を つける)タイワンザクラ(暖地性)ともいわれ、庭園木として植栽される品種 である。 亜熱帯原産。
 善福寺は、浄土真宗で鯖江市の誠證寺派本山に属し、天台宗から浄土真宗に 改宗された寺である。

(文:八田七郎右ヱ門 写真:吉澤康暢)



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