◆ふくいの巨木 33.八幡宮のスダジイ
●八幡宮(ハチマングウ)のスダジイ
樹 種 スダジイ(ブナ科)
幹回り 4.3 m
樹 高 約20 m
樹 齢 約300年
所在地 丹生郡越前町厨
所有者 丹生郡越前町厨区
越前町道口(ミチグチ)−織田町山中線の海岸寄り坂道の途中に、オタ建設の
看板がある。ここより厨(クリヤ)の海岸段丘の平坦面に出る。ミカン畑の中を
走る起伏のある舗装道路を2キロ程で、スダジイ、タブノキなどの暖地性常緑
広葉樹林に着く。階段を登り、本殿の右側のスダジイが神域最大の巨木である。
根本からの萌芽もあり、樹勢はよい。10 m程の所で2本の太い枝が張り出して
いる。下の方に一部枯死している肌もよく見られる。本種はシイ類の中でも耐
寒性があり、福島県、新潟県佐渡まで分布してる。福井県では、海岸沿いの所
どころに純林が残っている。この森も神域として古くから保護されて、3 mを
越すスダジイが5本、タブノキ4本が秀でており、タブノキ、ヤブツバキなど
福井県における暖地性常緑広葉樹林の姿をよく残している。下生えもなく、社
殿前の広場と共に保育園児のよい遊び場や小鳥の森となっている。スダジイは、
イタジイ、ナガジイ、シイとも呼ばれ、何れも10cm内外の穂(花序という)に
なって咲き、実(堅果)は他のドングリ類とは異なって、表面が荒い目の皮に
おおわれている。実は生のまま食べられる。
社殿は、昭和57年に再建された豪壮な木造建築、応神天皇を祀る。
この段丘は隆起によるもので海面より50 m、社殿は山腹の60 mに鎮座する。
家並は段丘崖のすその侵食された面に建っている。
(文:写真 八田七郎右ヱ門)
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