◆ふくいの巨木 29.大滝神社の大スギ

 ●大滝神社の大スギ       ・県指定天然記念物
    樹 種  スギ(スギ科)
    幹回り  7.2 m
    樹 高  約26 m
    樹 齢  約400年
    所在地  今立郡今立町大滝
         大滝神社奥の院山頂
    管理者  大滝神社

 大滝神社を過ぎると駐車場に着く。登山道は幅2 m。所々に石段があり、小 さなカーブを30数ヶ所登る。途中には展望台、伝説神馬の足跡碑、左手奥にゼ ンマイが伸びる頃に満開になる、「大滝神社のゼンマイザクラ」が見える。県 指定天然記念物のエドヒガン(渡辺定路同定)である。両側には社叢として保 護されたクヌギ・アベマキの大木が散見できる。ゆっくり登って1時間程で、 平坦なブナ林に出る。標高300mの低山であるためかシラカシ、スギなどの混交 林となっている。トイレ、室堂を過ぎ、後背にブナ林を控えた社殿前から左に 登りつめた所に、しめ縄をめぐらし、柵に囲まれた1本立ちの老杉がある。3 m程の所から太い枝を出し、基部はコブ状に大きくふくれており、 神木にふさ わしく永年の風格を見せている。南北朝時代(1300年代)からの大滝城跡の一 隅に立っている。ここから直進して下山することもできる。
 大滝神社の社殿は天保10年(1839)の再建で、建築様式が時代の特徴をよく 残し、県指定の文化財となっている。神域にもスギ・イチョウの大木が繁って おり、奥の院に至る両側の大木や、標高300mの低山にブナ林が残っていること を含めて、一帯が県指定の天然記念物になっている。野鳥の観察にもよい。林 床には、チシマザサ、オオバクロモジ、マルバマンサクの生育が見られず、日 本海型ブナ林としては特異な存在である。

(文:写真 八田七郎右ヱ門)



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