◆ふくいの巨木 28.今庄のトチノキ
●今庄のトチノキ
樹 種 トチノキ(トチノキ科)
幹回り 7.3 m
樹 高 約20 m
樹 齢 約400年
所在地 南条郡今庄町岩谷
管理者 福井営林署
広野ダムからの林道終点で、カツラの巨木を鑑賞してから登山準備をする。
正面の小橋を渡って山道に入る。すぐに登り坂になるが、ゆっくり15分も進
むと平坦な山道が続く。左手は、侵食された深い谷川が散見できる。ブナ・ミ
ズナラ林のいくつかのつづら折りの途中に、渓流にかかる見事な滝がしぶきを
上げている。日野川の源流は段々に浅くなり、道に沿うようになる。標高700m
付近で渓流と分かれて登りとなる。ここまでゆっくり歩いて1時間、水補給の
終点である。この地点の右側斜面に2本のトチノキがあり、奥の方が巨木で周
囲の雑木は低い。急斜面であるため、表側は2 m程土砂に埋まっている。裏の
方に直径30cmの穴があり、中は空洞で長径が1.8mもあるが、外周の部分でこの
大木をよく支えているものである。
板取−木之本間の県境栃の木峠にも、県指定天然記念物のトチノキがある。
花は5〜6月、枝先に直立し多数の白色花をつける。穂の長さ20cm内外、種
子は径2〜3cm、皮は三裂する。種子は1〜2個でつやのある栗色。シブを抜
いてトチ餅を作る。材は建築、器具材として用いられ、全国に分布する。
マロニエはフランス語で、セイヨウトチノキのことで小アジアの原産。果実
は径6cm内外でトゲがある。三裂し、1〜2個の種子を持つ。県内でも街路樹
として植栽されている。
(文:八田七郎右ヱ門 写真:吉澤康暢)
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