◆ふくいの巨木 27.今庄のカツラ

 ●今庄のカツラ         ・今庄町指定天然記念物
    樹 種  カツラ(カツラ科)
    幹回り  6.4 m
    樹 高  約32 m
    樹 齢  約400年
    所在地  南条郡今庄町岩谷
    管理者  福井営林署

 武生市から広野ダムまでは車で30分、ダムは一周できる。堰堤を右に曲がり、 日野川沿いにしばらくは舗装の道を進む。砂利道もわりと整備されていて、緩 やかな登りとなる。今は廃村になった分校の建物が残る岩谷の、今庄町営キャ ンプ場を左に見て、ダムから3キロ程で終点の駐車場に着く。左側のトイレの 前の斜面のすそにカツラの巨木が立っている。
 主幹は3 m程のところで2幹となっていて、梢はよく張り出して枝張りは東 西24 m、南北22 mと勢いよく広がっている。
 根際を少し上がったところから、50数本の大小の枝がまっすぐに伸びている。 これらの外回りは10 mに及ぶ。枝は鋭角度に斜上して独特の樹形を作っている。 株の山側は崩れた土砂のために、2 m程埋まっている。幹回りは、埋まってい る方の地上1.2 mで測り、最も太い部分と思われる。 数十年前には、伐採木の 製材工場があり、ブナ材などの搬出が行われていたところであるが、この木は 残されて親しまれている。
 別名をオカズラ、コウノキといい、葉を乾燥して粉末にして抹香とするとこ ろからコウノキという。4、5月に葉より先に短い枝先に花をつける。雌雄異 株、本株は雄株、全国に分布するが、中部以北のものはヒロハカツラで葉は大 きめである。

(文:八田七郎右ヱ門 写真:吉澤康暢)



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