◆ふくいの巨木 26.須波阿須疑神社の大スギ

 ●須波阿須疑(スワアスギ)神社の大スギ   ・県指定天然記念物
    樹 種  スギ(スギ科)     幹回り  8.4 m
    樹 高  40 m
    樹 齢  約500年
    所在地  今立郡池田町稲荷
    管理者  須波阿須疑神社

 稲荷(イナリ)集落県道の東側、池田農協横を入り、赤い鳥居をくぐり杉並木 を右に見て楼門に達する。右手に車道があるが進入禁止となっている。この道 を進むと小さな祠があり「荒魂大杉大明神参道」の標板があり、ここより登り となる。本殿裏の社叢は、まっすぐに伸びたスギ成林で、小道は昼も暗い感じ がする。十分程登り、スギ木立ちの終わった所のやや開けた所に一段と大きな スギがそびえている、しめ縄をめぐらした神木大明神である。8 m程の所で、 太い枝を出した一本立でよい姿をしている。周囲は雑木のまばらな林であるが 参拝しやすくなっている。山の中腹で標高は約300 mである。
 荒魂大明神のいわれは、倉稲魂命(ウガタマノミコト)の影向(エゴウ)(こだ ま)の神籬(シンリ)(神をまつる垣)と伝えられ、 伊弉諾命(イザナギノミコ ト)、 伊弉冉命(イザナミノミコト)をまつる神憑木(シンビョウボク)(神の宿 る木)であるという。古代の自然信仰が、ここにも見られる。祭礼の相撲優勝 者の御幣(ゴヘイ)も、ここにまつられる。社伝によれば、樹齢千数百年を経て いるという標板がある。
 本殿は、延徳3年(1491)朝倉氏の建立によるもので、室町時代末期の建築 様式を備えており、国の重要文化財に指定されている。拝殿正面の扉はなく、 中を自由に拝観できる。祭礼の時には奥の壁板を取り外して、本殿を広く拝礼 できるようにしてあるのが特徴といわれている。
 ヨシノスギ、オモテスギの名もあり、本県ではアシウスギが多い。

(文:八田七郎右ヱ門 写真:吉澤康暢)



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