◆ふくいの巨木 17.三国神社のケヤキ

 ●三国神社のケヤキ
    樹 種  ケヤキ(ニレ科)
    幹回り  5.77 m
    樹 高  24 m
    樹 齢  約600年
    所在地  坂井郡三国町山王
    所有者  三国神社

   九頭竜川河口にある三国神社は、北前船によって富み栄えた江戸時代(1839 年と伝えられている)に氏子の寄進で建立された。小高い丘を背後に取り入れ た17,500平方 mの広い境内は昔の植生が残っていて、タブノキ、スダジイ、ケ ヤキ等の巨木が数多く見られる。
 表題の欅(ケヤキ)は、三国神社の鳥居の横にあって、 600年と言われる樹齢 の割には瘤や空洞もなく壮年期の感じがする。樹高程の広い枝張りがあり、幹 との調和のとれた巨木である。
 欅は日本の代表的な広葉樹で、生育も良く寿命も長い樹である。箒を逆さに した様な特徴のある樹形は、遠くからでも識別が出来る。
 用材としての欅は、木目が美しく重硬で耐久性が高いため、昔から社寺建築 に多く使われた。家具、器具にも賞用され、特に玉目(タマモク)と言われる渦 紋状の物や、赤血色の材は装飾用に珍重される。
 葉を落とした冬枯れの欅もまた美しい。
 毎年、5月20日の三国神社の祭礼は、三国町あげての盛大な行事で、北陸三 大祭の一つに数えられている。

(文:榎本二郎 写真:吉澤康暢)


 
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