◆ふくいの巨木 14.永平寺のスギ並木

 ●永平寺のスギ並木
    樹 種  スギ(スギ科)
    幹回り  7.9 m
    樹 高  約35 m
    樹 齢  約650年
    所在地  吉田郡永平寺町志比
    所有者  大本山永平寺

   永平寺は、道元禅師が寛元2年(1244)に開かれた寺で、曹洞宗の本山で常 に多くの信者と観光客が訪れている。
 この永平寺の参道と寺の中に、多くのスギの老木が生育している。永平寺で 一番古いスギは五代スギで、五代の義雲禅師が植えられたとのことであるから 600年以上たっている。
 正門・龍門からの参道に約30本のスギの巨木が並び立っているが、少し樹勢 がないのが気になる。株元はよく発達して太いが、幹は 8〜10 mのところから 枯れて危険になったので切られている。幹から出る枝は太いものがなく、小さ い枝が少しでているだけで大変さみしい。しかし、勅使門付近のスギには太い 枝があるが、平泉寺の菩提林のような太い枝が地面につくまではなっていない。 これは、下にコブがあることから、枝打ちされたためであろう。以前は太いス ギから多くの枝が垂れ下がり、境内全体がもっと幽玄であっただろう。
 老スギには多くのコケが着生し、株元はより太くなっており、株元の隣に先 代のスギの株跡が残っている。スギが永遠に親から子へ、子から孫へと生きな がらえて永平寺の動きを見守ってきたといえる。

(文:小林則夫 写真:吉澤康暢)



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