◆ふくいの巨木(3.専福寺の大ケヤキ)
●専福寺の大ケヤキ ・国指定天然記念物
樹 種 ケヤキ(ニレ科)
幹回り 11.5 m
樹 高 約8 m
樹 齢 約800年
所在地 大野市友兼
所有地 専福寺
大野市から和泉村へ走る国道 158号線で、真名川を渡る手前から右へ分かれ
て走ると約3kmで友兼に着く。友兼に入る手前から、大きなケヤキが見える。
この大ケヤキは、専福寺の山門横にどっかりと腰をすえて、お寺を守るかの
ように生えている。主幹は中が腐植し枯れて危険になったので、8 mの高さで
切られて短くなっている。(国の指定を受けたころは16 mあった。)今は雨水
が入り腐るのを防ぐために、トタン屋根がかけてある。
主幹は短いが、枝張りはよく四方に枝を伸ばし、ケヤキの王様という貫禄が
ある。根回りにはコケが多く生育し、幹は中心が空洞化しており、いかにも老
木らしい姿をしている。春先の芽出しのころは、ケヤキの若葉が寺全体を覆い
美しい。
お寺の話によると、この大ケヤキは、この地に専福寺が移転(1468)してく
る前から生育していた。その時から、人々に標木として親しまれていたとのこ
とであるから、約800年以上長く生きてきた老木である。この樹は、専福寺が移
転してきてからの歴史を全部知っていると考えると胸に迫るものがある。
ケヤキは、昔から建築用材として奥越ではよく利用してきたので、屋敷木と
して大切に育てられてきた。現在は、ケヤキの代わりにスギが多く利用される
ようになり、屋敷から姿を消しつつある。しかし、まだ神社や仏閣には残って
いる。
(文:小林則夫 写真:吉澤康暢)
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