ロシア船籍タンカー油流出事故に伴う
海域汚染状況調査結果について
平成9年3月25日 福井県(環境保全技術対策プロジェクトチーム)
- 調査の概要
重油流出事故に伴う本県沿岸海域の水質および底質の汚染状況を把握するため、2月14日から27日において、大聖寺地先(芦原町)から今戸沖(高浜町)にかけての30地点(主に、常時監視地点)を対象に緊急調査を実施した。
油関連項目についての調査結果の概要は以下のとおりである。
- 調査結果の概要
(1)水質
- 油分については、不検出(検出限界未満)から 0.17 mg/l の濃度(11地点で検出)で、その濃度は低レベルであった。
(九頭流川地先海域での事故前の測定例:不検出〜0.28 mg/l )
- 油処理剤は、全ての地点において不検出であった。
- 重油の含有成分であるベンゼン、ニッケルは、全ての地点において不検出であり、バナジウムは、不検出から 0.0021 mg/l の濃度(3地点で検出)であった。
なお、バナジウムについては、通常の自然界の海水濃度とほぼ同レベル(約 0.002 mg/l)である。
(2)底質
- 油分は、2地点で検出され、それぞれ 0.009 と 0.015 mg/g (湿重量)であったが、いずれも低濃度であった。
- n−ヘキサン抽出物質、溶出油分、油処理剤は、いずれも全ての地点で不検出であった。
水質および底質の調査結果をみると、今回調査した項目については不検出あるいは検出されても低濃度であったが、今後とも新しい知見を加えながら継続的に監視を実施していく。