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平成17年度大気・水質の常時監視結果と公害苦情の概要について

 

平成17年度に実施した大気・水質の常時監視結果および公害苦情の概要がまとまりました。

１　大　　気[→表を見る]

(1) 二酸化窒素、二酸化いおう等

二酸化窒素、二酸化いおう等の常時監視を39測定局（一般測定局35、自動車排出ガス測定局4）で実施しました。その結果、本県の大気環境は、おおむね良好な状態にあり、また、いずれの項目も年平均値が横ばいの傾向で推移しています。

[1]

二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化いおうの環境基準(＊1)達成率は100%でした。

[2]

浮遊粒子状物質の環境基準達成率は、短期的評価(＊2)では58％でしたが、長期的評価(＊3)は100％でした。

[3]

光化学オキシダントは全局で環境基準非達成でしたが、光化学スモッグ注意報等の発令には至りませんでした。

(＊1)環境基準

環境上の条件について、人の健康を保護し、および生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準とされており、環境基準を超過したからといってただちに人の健康に影響を及ぼすものではありません。

(＊2)短期的評価

1時間値、1日平均値、8時間平均値を環境基準と比較して評価を行うこと。

(＊3)長期的評価

1年間の測定を通じて得られた1日平均値のうち、高い方から数えて2％の範囲にある測定値（例えば、年間の有効測定日が365日の場合には、７個の測定値）を除外した後の最高値を環境基準と比較して評価を行うこと。

(2) 有害大気汚染物質

有害大気汚染物質11項目について、5地点で測定（年4回〜12回）しました。 その結果、環境基準が定められている4項目（ベンゼン等）および指針値(＊)が定められている4項目（塩化ビニルモノマー等）については、すべての地点で環境基準または指針値を達成していました。

(＊)指針値

環境中の有害大気汚染物質による健康影響の低減を図るための指針となる数値

(3) 酸性雨

福井市および越前町の2地点で、酸性雨調査を実施しました。その結果、2地点における降水の年平均ｐＨは、4.4および4.5で、これまでの調査結果と比べて大きな変化はないものの、国の調査における全国平均ｐＨ4.6より酸性化がやや強い値となっており、酸性化の傾向が続いています。

 

２　水　　質[→表を見る]

(1) 公共用水域

公共用水域の水質の常時監視を113地点(河川58、湖沼16、海域39)で実施しました。その結果は、次のとおりです。

[1]

人の健康の保護に関する環境基準（健康項目）は、すべての地点で環境基準を達成していました。

[2]

生活環境の保全に関する環境基準（生活環境項目）の達成率は、河川のＢＯＤ（生物化学的酸素要求量）について、磯部川（安沢橋）で不適合のため98％でした。

また、湖沼のＣＯＤ（化学的酸素要求量）については、北潟湖の6地点と三方五湖の2地点で不適合のため50%（平成16年度達成率：29％）でした。

一方、海域のＣＯＤについては、すべての地点で環境基準を達成していました。

[3]

要監視項目(＊)について、43地点（河川38、湖沼5）で測定した結果、指針値の定められている4項目のうち、アンチモンが3地点で指針値を超えて検出されましたが、残り3項目については、すべての地点で指針値以下でした。

(＊)要監視項目

現時点では直ちに環境基準とせず、引き続き知見の集積に努めるべき項目

(2) 地下水

平成17年度に新たな地下水汚染は認められていません。

なお、平成16年度までの調査により、環境基準を超える地下水汚染が確認された33地区については、引き続き定期モニタリング調査を実施しました。この33地区を汚染原因別にみると、トリクロロエチレン等による人為的汚染が28地区、砒素による地質由来が6地区（うち1地区は人為的汚染地区と同じ地区）となっています。

〔概況調査および汚染井戸周辺地区調査〕

[1]

平成17年度に、県内60地区において地下水の概況調査を実施し、その結果、汚染判断基準を超えた地区において汚染範囲を確認するために汚染井戸周辺地区調査を実施しました。

[2]

調査の結果、環境基準を超える汚染は検出されませんでした。

〔定期モニタリング調査〕

[1]

地下水汚染が確認されている33地区について行った定期モニタリング調査の結果、各地区における最高濃度井戸の最近2年間の平均濃度をみると、過去に記録した最高濃度の1％〜76％の濃度に低下しています。

[2]

33地区のうち18地区では、地下水汚染物質の最近2年間の平均濃度が環境基準以下となっています。

 

３　公害苦情[→表を見る]

県および市町村が受けた公害苦情の総件数は634件で、平成16年度に比べ58件（8.4%）減少しています。

[1]

大気汚染、水質汚濁等の典型７公害に関する苦情は477件(全苦情の75%)で、平成16年度（575件）と比べ、98件（17%）減少していました。

これは、主として、大気汚染に関する苦情が76件減少したことによるものです。

[2]

典型７公害以外の苦情は157件(全苦情の25%)で、平成16年度（117件）と比べ、40件（34%）増加していました。

これは、主として、廃棄物の不法投棄に関する苦情が30件増加したことによるものです。

 

 

１　大気の測定結果[→概要(大気)にもどる]

[1] 環境基準達成状況

測定項目

二酸化
いおう

二酸化
窒素

浮遊粒子状
物質

一酸化炭素

光化学
オキシダント

炭化水素

環境基準
の達成率

短期的
評価(注1)

１００％
(―)

―

５８％
(３３％)

１００％
(１００％)

０％
(０％)

環境基準
なし

長期的
評価(注2)

１００％
(―)

１００％
(１００％)

１００％
(１００％)

１００％
(１００％)

―

有効測定局数(注3)

２４
(―)

３３
(４)

３８
(３)

５
(４)

２４
(１)

１１
(４)

（ ）内数字は「自動車排出ガス測定局」にかかるもので、内数。

[注1]

短期的評価とは、１時間値、１日平均値、８時間平均値を環境基準と比較して評価を行うこと。

 

[注2]

長期的評価とは、1年間の測定を通じて得られた１日平均値のうち、高い方から数えて２％の範囲にある測定値（例えば、年間の有効測定日が３６５日の場合には、７個の測定値）を除外した後の最高値を環境基準と比較して評価を行うこと。

 

[注3]

有効測定局とは、年間の測定時間が６，０００時間以上のもの（ただし、光化学オキシダントおよび炭化水素を除く）。

 


[2] 光化学スモッグ注意報の発令状況

注意報の発令日数：なし

(2) 有害大気汚染物質

（単位：μg／m3）

測定地点

福井市

敦賀市

武生市

鯖江市

三国町

環境基準
（指針値）

（参考）16年度全国値

項目

平均

最小

最大

ベンゼン

1.6

1.0

1.3

1.8

0.9

3

1.8

0.44

5.0

トリクロロエチレン

0.7

<0.3

<0.3

1.2

<0.3

200

0.93

0.0030

22

テトラクロロエチレン

0.13

0.09

0.08

0.08

0.08

200

0.38

0.0078

10

ジクロロメタン

2.3

1.0

1.2

6.7

1.0

150

2.6

0.19

66

塩化ビニルモノマー

0.15

0.03

0.18

0.10

0.05

(10)

0.083

0.0031

3.3

アクリロニトリル

<0.04

<0.04

<0.04

<0.04

0.04

(2)

0.11

0.00075

1.3

水銀及びその化合物

0.0019

0.0021

0.0017

0.0022

0.0020

(0.04)

2.3

0.94

4.6

ニッケル化合物

0.0051

0.0039

0.0039

0.0049

0.0025

(0.025)

5.9

0.69

38

酸化エチレン

0.062

0.053

0.053

0.41

0.047

-

0.10

0.012

0.99

1,3-ブタジエン

0.17

0.09

0.15

0.24

0.08

-

0.26

0.0060

1.5

ベリリウム及びその化合物

<0.0001

<0.0001

<0.0001

<0.0001

<0.0001

-

0.050

0.00098

2.3

(3) 酸性雨

測定地点

福井市

越前町

（参考）平成15年度全国値

項目

平均

最小

最大

ｐＨ

4.4

4.5

4.6

4.4

5.0

 

２　水質の測定結果[→概要(水質)にもどる]

(1) 公共用水域

[1] 環境基準の達成率

水域名

測定地
点数

健康項目

生活環境項目

BOD
(COD)

ｐＨ

浮遊
物質量

溶存
酸素量

n-ﾍｷｻﾝ
抽出物質

全窒素

全燐

河
川

九頭竜川

３１

１００％

９８％
(43/44)

１００％

９８％
(43/44)

１００％

―

―

―

笙の川

４

井の口川

２

耳川

１

北川

５

南川

１

類型未指定河川

１４

―

―

―

―

―

―

―

湖
沼

北潟湖

７

１００％

５０％
(8/16)

１００％

９４％

(15/16)

１００％

―

４４％
(7/16)

５６％
(9/16)

三方五湖

９

海
域

九頭竜川地先

６

１００％

１００％

１００％

―

５９％
(23/39)

１００％

９４％
(15/16)

８８％
(14/16)

越前加賀海岸地先

１２

敦賀湾

７

小浜湾

６

世久見湾

１

矢代湾

１

内浦湾

１

若狭湾東部

５

合計

１２２

―

―

―

―

―

―

―

―

[2] 主な要監視項目の測定結果

測定項目

調査地点数

指針値を超過
した地点

河川

湖沼

フェニトロチオン(＊)

３６

５

０

イソプロチオラン(＊)

３６

５

０

イプロベンホス(＊)

３６

５

０

ニッケル

３８

５

―

アンチモン(＊)

３２

５

３

(＊)指針値が定められている項目

[3] 公共用水域概況図

[画像をクリックすると拡大図が表示されます]

公共用水域概況図

(2) 地下水

定期モニタリング調査結果（平成16年度までに確認された地下水汚染）

地区名

汚染物質
(環境基準)

汚染発見
年月

モニタ
リング
井戸数

定期モニタリングによる濃度変化

最高検出
濃度
Ａ(mg/L)

最高濃度検出
井戸での最近
２年間平均濃度
Ｂ(mg/L)

Ｂ／Ａ
×100
(%)

1 福井市麻生津

砒素(注2)
(0.01mg/L)

16年 6月

2

0.012

0.008(＊)

―

2 武生市塚町・三ツ屋町

12年 6月

2

0.031

0.020

―

3 坂井町上兵庫

10年 5月

1

0.035

<0.005(＊)

―

4 三方町東部

9年12月

3

0.15

0.072

―

5 高浜町薗部

2年11月

1

0.039

0.033

―

6 永平寺町光明寺

1,2-ジクロロエタン
(0.004mg/L)

12年 5月

3

0.015

0.0007(＊)

5

7 福井市江守中(注1)

トリクロロエチレン
(0.03mg/L)

10年 9月

1

<0.002

<0.002(＊)

―

8 福井市石橋町(注1)

10年 9月

2

0.017

0.002(＊)

24

9 武生市吉野

1年11月

5

0.11

0.058

57

10 武生市大虫

2年 2月

4

0.12

0.036

30

11 武生市米口町

10年 9月

2

0.17

0.025(＊)

21

12 鯖江市豊

2年 6月

3

0.064

0.036

56

13 鯖江市神明南部

4年 5月

5

0.37

0.072

19

14 鯖江市立待南部

7年10月

4

0.054

0.019(＊)

35

15 鯖江市立待北部

8年 5月

5

0.12

0.027(＊)

23

16 鯖江市上河内町

8年 6月

3

0.31

0.014(＊)

5

17 鯖江市立待西部

8年10月

4

0.16

0.026(＊)

16

18 宮崎村小曽原1区(注1)

10年 9月

2

<0.002

<0.002(＊)

―

19 宮崎村小曽原3区(注1)

10年 9月

2

<0.002

<0.002(＊)

―

20 敦賀市布田町

テトラクロロエチレン
(0.01mg/L)

11年 5月

4

0.021

0.0099(＊)

47

21 武生市北府

1年11月

4

0.027

0.016

59

22 大野市新町

1年12月

5

0.065

0.010

15

23 勝山市滝波町

8年 5月

3

0.024

0.0057(＊)

24

24 鯖江市本町

5年 4月

5

0.38

0.15

39

25 鯖江市横越町

7年 5月

2

0.017

0.0030(＊)

18

26 上志比村牧福島

4年 5月

5

0.087

0.0011(＊)

1

27 高浜町立石

硝酸性窒素及び
亜硝酸性窒素
(10mg/L)

15年 5月

2

45

24

53

28 福井市蒲生

15年 5月

1

13

8.4

76

29 鯖江市水落

六価クロム
(0.05mg/L)

12年 8月

1

0.54

0.17

31

硝酸性窒素及び
亜硝酸性窒素
(10mg/L)

15年 5月

2

28

8.2

29

30 高浜町東三松

砒素(注2)
(0.01mg/L)

12年 6月

1

0.032

0.023

―

硝酸性窒素及び
亜硝酸性窒素
(10mg/L)

12年 8月

1

51

26

51

31 鯖江市立待東部

1,1-ジクロロエチレン
(0.02mg/L)

7年12月

1

0.13

0.052

40

トリクロロエチレン
(0.03mg/L)

0.099

0.013(＊)

13

32 武生市王子保

シス-1,2-ジクロロエチレン
(0.04mg/L)

6年11月

7

0.097

0.054

56

トリクロロエチレン
(0.03mg/L)

2年 7月

0.11

0.011

10

33 鯖江市莇生田町

シス-1,2-ジクロロエチレン
(0.04mg/L)

11年10月

2

0.073

0.036(＊)

49

トリクロロエチレン
(0.03mg/L)

0.11

0.048

44

(＊)は、最近2年間の地下水汚染物質の平均濃度が環境基準以下になったことを示します。

[注1]

環境基準の超過が工場敷地内の地下水に限定された地区。

[注2]

砒素による地下水汚染の原因は、いずれも自然由来と考えられます。

 

３　公害苦情[→概要(公害苦情)にもどる]

公害苦情件数

年度

13年度

14年度

15年度

16年度

17年度

17年度
構成比(%)

種類

典
型
７
公
害

大気汚染

217

196

276

263

187

29.5%

水質汚濁

106

122

118

153

125

19.7%

土壌汚染

0

0

0

0

0

0.0%

騒音

42

64

67

72

67

10.6%

振動

5

2

4

9

5

0.7%

地盤沈下

0

0

0

0

0

0.0%

悪臭

73

62

69

78

93

14.7%

典型７公害小計

443

446

534

575

477

75.2%

典型７公害以外

92

95

110

117

157

24.8%

合計

535

541

644

692

634

100.0%

対前年度増減数

65

6

103

48

△58

―

増減率(%)

13.8%

1.1%

19.0%

7.5%

△8.4%

―

種類別苦情件数の推移グラフ

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