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平成14年度大気・水質の常時監視結果と公害苦情の概要

平成15年7月30日 福井県環境政策課

1 大  気 [→表を見る]

(1) 大気環境

大気汚染の常時監視を42観測局(一般観測局38、自動車排出ガス観測局4)で実施した。

その結果、本県の大気環境は自然的要因による濃度上昇を除きおおむね良好な状態にあり、またいずれの項目も年平均値が横ばいの傾向で推移している。

 
@

二酸化いおう、二酸化窒素、一酸化炭素の環境基準達成率は100%であった。

A

浮遊粒子状物質の環境基準達成率は、4月に黄砂現象が見られたため短期的評価で3%、長期的評価で18%であった。

B

光化学オキシダントの環境基準達成率は短期的評価で4%であった。また、平成2年以来12年ぶりに二州地域(敦賀市、三方町、美浜町)で光化学スモッグ注意報を発令した。

(2) 有害大気汚染物質

ベンゼンやトリクロロエチレン等の9項目について、福井市、敦賀市、武生市、鯖江市および三国町の5地点で大気調査を実施した。その結果、環境基準の定められているベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンおよびジクロロメタンの4物質について、すべての地点で環境基準を達成していた。

(3) 酸性雨

福井市、敦賀市、勝山市、越前町の4地点で、酸性雨調査を実施した。

平成14年度の県内4地点における降水の年平均値は、pH4.5〜4.6で、これまでの調査結果と比べて大きな変化はないものの酸性化しており、国が実施した調査における全国平均pH4.8よりやや低かった。

2 水  質 [→表を見る]

(1) 公共用水域

公共用水域の水質の常時監視を117地点(河川64、湖沼17、海域36)で実施した。その結果は、次のとおりである。

 
@

人の健康の保護に関する環境基準(「健康項目」)は、「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」が御清水川で不適合であり、達成率が97%であったが、他の項目はすべての地点で達成していた。

A

生活環境の保全に関する環境基準(「生活環境項目」)は、河川のBOD(生物化学的酸素要求量)でみると、磯部川(安沢橋)、鞍谷川(小富士橋)および井の口川(豊橋)で不適合であり、達成率は94%であった。

また、湖沼のCOD(化学的酸素要求量)でみると、北潟湖の7地点と三方五湖の2地点で不適合であり、達成率は47%であった。

一方、海域のCODの達成率は100%であった。

B

現時点では直ちに環境基準とせず、引き続き知見の集積に努めるべきもの(「要監視項目」)5項目について、39〜47地点(河川34〜42、湖沼5)で測定した結果、指針値の定められている3項目について、すべて指針値以下であった。

(2) 地下水

平成14年度までの調査により、環境基準を超える地下水汚染が31地区で確認されている。

なお、平成14年度に新たに確認された地下水汚染はなかった。

31地区を汚染原因別にみると、トリクロロエチレン等による人為的汚染が27地区、砒素による地質由来が5地区となっている。

 
〔地下水の定期モニタリング〕
@

平成13年度までに地下水汚染が確認された31地区における定期モニタリングの結果は、別紙のとおりである。トリクロロエチレン等による地下水汚染地区27の各最高濃度井戸について、最近2年間の平均濃度でみると、過去の最高濃度の2〜74%であった。

A

8地区においては、地下水汚染物質濃度が環境基準以下となったが、当面、モニタリングを継続する。

3 公害苦情 [→表を見る]

(1) 公害苦情件数

県および市町村が受けた公害苦情の総件数は541件で、平成13年度に比べ6件(1.1%)増加している。

(2) 公害の種類別苦情件数

 
@

典型7公害に関する苦情は446件(全苦情の82.4%)で、平成13年度(443件)とほぼ同数である。

種類別では、大気汚染や悪臭に係る件数が減少し、油流出等による水質汚濁や建設業、製造業からの騒音に係る件数が増加している。

(水質汚濁:106件→122件 騒音:42件→64件)

A

典型7公害以外の苦情は95件(全苦情の17.6%)で、平成13年度(92件)とほぼ同数である。

種類別では、廃棄物の不法投棄に関する苦情が62件(典型7公害以外の苦情の65.3%)と最も多くなっている。

平成14年度大気環境の常時監視結果 [→概要(大気)にもどる]

1 環境基準達成状況

測定項目 二酸化いおう 二酸化窒素 浮遊粒子状物質 一酸化炭素 光化学
オキシダント
炭化水素
環境基準
の達成率
短期的評価 100%
(―)
3%
(―)
100%
(100%)
4%
(100%)
環境基準
なし
長期的評価 100%
(―)
100%
(100%)
18%
(―)
100%
(100%)
有効測定局数 27
(―)
35
(4)
38
(―)

(4)
24
(1)
11
(4)
 

短期的評価とは、測定を行った日についての1時間値の1日平均値もしくは8時間平均値または各1時間値を環境基準と比較して評価を行うこと。

長期的評価とは、1年間の測定を通じて得られた1日平均値のうち、高い方から数えて2%の範囲にある測定値(例えば、年間の有効測定日が365日の場合には、7個の測定値)を除外した後の最高値を環境基準と比較して評価を行うこと。

有効測定局とは、年間の測定時間が6,000時間を超えるもの。

( )内数字は「自動車排出ガス測定局」にかかるもので、内数。

2 光化学スモッグ注意報の発令状況

 

・注意報の発令日数

1日

発令年月日

平成14年6月10日

発令地域

二州地域(敦賀市、三方町、美浜町)

平成14年度 有害大気汚染物質の測定結果

(単位:μg/m3)
測定地点 福井市 敦賀市 武生市 鯖江市 三国町 環境基準
(年平均値)
(参考)13年度全国値
項目 平均 最小 最大
ベンゼン 1.5 1.2 1.4 1.7 1.2 3 2.2 0.49 5.2
トリクロロエチレン 0.7 <0.3 <0.3 0.5 0.3 200 1.3 0.022 26
テトラクロロエチレン 0.18 0.08 0.10 0.08 0.13 200 0.52 0.026 4.4
ジクロロメタン 1.8 0.6 1.3 3.0 1.7 150 3.0 0.17 20

平成14年度 酸性雨測定結果

測定地点 福井市 敦賀市 勝山市 越前町 (参考)10〜12年度全国値
項目 平均 最小 最大
pH 4.5 4.6 4.6 4.6 4.8 4.5 6.2

平成14年度 公共用水域の常時監視結果について [→概要(水質)にもどる]

1 環境基準の達成状況

水域名 測定地点数 健康項目 生活環境項目
BOD
(COD)
pH 浮遊物
質量
溶存
酸素量
n-ヘキサン
抽出物質
全窒素 全燐

九頭竜川 34 100%
(硝酸性窒素・
亜硝酸性窒は
97%)
94% 100% 100% 100%
笙の川
井の口川
耳川
北川
南川
類型未指定河川 14

北潟湖 100% 47% 100% 100% 88% 20% 73%
三方五湖

九頭竜川地先 100% 100% 100% 83% 100% 100% 94%
越前加賀海岸地先
敦賀湾
小浜湾
世久見湾
矢代湾
内浦湾
若狭湾東部
合計 117

2 要監視項目の調査結果

測定項目 調査地点数 指針値を超過した地点
河川 湖沼
フェニトロチオン 37
イソプロチオラン 37
イプロベンホス 37
ニッケル 42
アンチモン 34

3 公共用水域概況図 [画像をクリックすると拡大図が表示されます]

平成14年度 地下水質の測定結果

汚染物質
(環境基準)
地  区 汚染発見
年月
モニタリング
井戸数
定期モニタリングによる濃度変化
最高検出
濃度
A(mg/L)
最高濃度
検出井戸での
最近2年間の
平均濃度
B(mg/L)
B/A
×100(%)
トリクロロエチレン
(0.03mg/L)
鯖江市 莇生田町 11年10月 2 0.11 0.056 51
シス-1,2-ジクロロエチレン
(0.04mg/L)
0.073 0.053 73
トリクロロエチレン
(0.03mg/L)
福井市 江守中   (注1) 10年 9月 1 <0.002 <0.002
福井市 石橋町    (注1) 10年 9月 2 0.017 0.007 41
宮崎村 小曽原1区 (注1) 10年 9月 2 <0.002 <0.002
宮崎村 小曽原3区 (注1) 10年 9月 2 <0.002 <0.002
武生市 米口町 10年 9月 2 0.17 0.033 19
鯖江市 上河内町  8年 6月 3 0.31 0.025 8
鯖江市 立待西部  8年10月 5 0.16 0.021 13
鯖江市 立待北部  8年 5月 5 0.12 0.032 27
鯖江市 立待東部  7年 2月 1 0.099 0.024 24
1,1-ジクロロエチレン
(0.02mg/L)
0.13 0.075 58
トリクロロエチレン
(0.03mg/L)
鯖江市 立待南部  7年10月 5 0.054 0.024 44
鯖江市 神明南部  4年 5月 5 0.37 0.10 27
武生市 王子保  2年 7月 7 0.11 0.013 12
シス-1,2-ジクロロエチレン
(0.04mg/L)
 6年11月 0.097 0.060 62
トリクロロエチレン
(0.03mg/L)
鯖江市 豊  2年 6月 4 0.064 0.036 56
武生市 大虫  2年 2月 4 0.12 0.033 28
武生市 吉野  1年11月 5 0.11 0.057 52
テトラクロロエチレン
(0.01mg/L)
敦賀市 布田町 11年 5月 4 0.021 0.012 57
小浜市 伏原     (注1) 10年 6月 2 <0.0005 <0.0005
勝山市 滝波町  8年 5月 5 0.024 0.0058 24
鯖江市 横越町  7年 5月 2 0.017 0.0040 24
鯖江市 本町  5年 4月 5 0.38 0.120 32
上志比村 牧福島  4年 5月 5 0.087 0.0020 2
大野市 新町  1年12月 5 0.065 0.011 17
武生市 北府  1年11月 4 0.027 0.020 74
1,2-ジクロロエタン
(0.004mg/L)
永平寺町 光明寺 12年 5月 3 0.015 0.0022 15
六価クロム
(0.05mg/L)
鯖江市 水落町 12年 8月 1 0.54 0.34 63
硝酸性窒素及び
亜硝酸性窒素
(10mg/L)
高浜町 東三松 12年 8月 1 51 37 73
砒素  (注2)
(0.01mg/L)
12年 6月 1 0.032 0.029
武生市 塚町・三ツ屋町 12年 6月 2 0.031 0.026
坂井町 上兵庫 10年 5月 1 0.035 0.018
三方町 東部  9年12月 3 0.15 0.089
高浜町 薗部  2年11月 1 0.039 0.024
(注1) 環境基準の超過が工場敷地内の地下水に限定された地区
(注2) 砒素による地下水汚染の原因は、いずれも自然由来と考えられる

平成14年度 公害苦情件数 [→概要(公害苦情)にもどる]

年度 10 11 12 13 14 13年度
構成比(%)
発生源




大気汚染 136 132 185 217 196 36.2
水質汚濁 50 50 74 106 122 22.6
土壌汚染 1 0 0 0 0 0.0
騒音 32 44 49 42 64 11.8
振動 2 3 5 5 2 0.4
地盤沈下 0 0 0 0 0 0.0
悪臭 34 57 77 73 62 11.5
小計 255 286 390 443 446 82.4
典型7公害以外 60 68 80 92 95 17.6
合計 315 354 470 535 541 100.0
対前年度増減数 −28 39 116 65 6
対前年度増減率(%) −8.2 12.4 32.8 13.8 1.1
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