福井県感染症情報

ウイルス肝炎

 ウイルス肝炎は、その原因となるウイルスの型から、A型、B型、C型肝炎等に分類され、このうち、慢性肝炎から肝硬変、肝がんへと移行する可能性があるのは、B型、C型肝炎です。B型、C型肝炎ウイルスの感染で、肝がん等への移行が心配となるのは、感染が持続する場合です。持続感染の状態にある人を「キャリア」と呼んでいます。B型肝炎ウイルスに感染してキャリアとなる例は、出生時や乳幼児期に感染した場合が多いとされ、成人で感染した場合はまれといわれています。C型肝炎の多くは、感染した年齢にかかわらずキャリアとなる場合が多いとされています。

感染
経路
A型肝炎 B型肝炎 非A非B肝炎 *
C型肝炎 D型肝炎 E型肝炎
経口感染(ウイルス汚染された食品、水の摂取)ウイルスは糞便中に排出される。時に集団発生を起こす。 血液感染
(医療事故等)
性行為感染
母子感染
血液感染
(母子感染、性行為感染はきわめて稀)
B型と同様と考えられている 経口感染
(時に水系感染)
潜伏
期間
14〜45日 6週間〜6ヶ月 輸血後の場合は2週間〜16週間 不明 A型とほぼ同じ
症状 ・急激な発病
・発熱、全身倦
怠感、食思不振、嘔吐、黄疸
・1〜2ヶ月で 治癒
・慢性化しない
・キャリアは存在しない
・時に劇症化
・全身倦怠感、食思不振、嘔吐、黄疸
・急性B型肝炎から慢性化することは少ない
・キャリアの90%は一生発症しない
・キャリアの10%が慢性肝炎、肝硬変、肝癌へと進行
・全身倦怠感、食思不振、嘔吐、黄疸
・慢性化することが多い
・数10年の経過の後に肝硬変、肝癌の発生
・感染率は地域的、年齢的な偏りがある(40歳以上、特に高齢者の感染率が高い)
・全身倦怠感、食思不振、嘔吐、黄疸
・B型肝炎感染者に感染し、症状を悪化させると考えられている
・全身倦怠感、食思不振、嘔吐、黄疸
・ヒマラヤ山麓その他亜熱帯地方の風土病
・近年、国内でも患者の報告がある
予防
方法
・衛生環境の改善
・ワクチン
・免疫グロブリン
・ワクチン
・コンドーム
ワクチン研究中 ワクチン研究中  
治療
方法
対症療法 ・対症療法
・インターフェロン療法
・ラミブジン投与
・対症療法
・インターフェロン療法の著効率は30〜40%
対症療法 対症療法
キャリア
人口
  推定
120〜140万人
推定
100〜200万人
   

* 非A非B肝炎としては、C、D、E型以外にもウイルス性肝炎の存在が知られています。
* キャリア:無症状のまま、特定の病原体を保有する状態。持続感染の状態にある人。
  感染症法では無症状病原体保有者といいます。