事業概要 図書内容 調査予測評価内容 参考文献 審査意見・見解 経過

敦賀火力発電所(2号機)環境影響評価

環境の保全の見地からの審査者の意見と事業者の見解


知事の意見 事業者の見解
 敦賀火力発電所(2号機)環境影響評価準備書については、おおむね妥当であると認められるが、事業の実施に当たっては次の対策を講ずることが重要である。
1 大気汚染については、1号機に比べ防止対策の改善が図られているものの、大気汚染物質の排出量は増加することから、良質炭の使用およびばい煙処理施設の維持管理を適切に行うなど、排出量のより一層の低減を図ること。 1 使用する石炭につきましては、良質炭の確保に努めるとともに、ばい煙処理設備の維持管理を適切に行うなど、排出量のより一層の低減に努めます。
2 温排水については、2号機の増設に伴い拡散域が拡大することおよび次亜塩素酸ナトリウムの注入を行うことから、水質および海生生物への影響について十分な監視を行い、必要に応じ適切な措置を講ずること。 2 次亜塩素酸ナトリウムにつきましては、適正な濃度で注入し、復水器入口で残留塩素が検出されないことを確認するとともに、放水口では連続測定装置を設置して常時監視を行い、残留塩素が検出されないよう管理いたします。  また、温排水の拡散範囲につきましては、5章に記載のとおりモニタリングを実施し、必要に応じ適切な措置を講じます。
3 ナツエビネの移植に当たっては、現在の生育環境や移植予定地の環境条件等を十分に調査するとともに、移植後消失することがないよう十分な保護、管理を行うこと。 3 ナツエビネにつきましては、現在の生育環境や移植予定地の環境条件等を十分調査して移植を行います。
 また、移植後は活着状況、生育状況等を適宜観察し、消失することがないよう十分な保護、管理をいたします。
4 2号機増設に伴う土地改変部の緑化に当たっては、在来種を使用するなど、周辺の自然環境との調和に十分配慮するとともに、発電所前面には高木による修景緑化を行うこと。 4 土地改変部の緑化につきましては、1号磯の植栽実績を踏まえ在来種の常緑樹を主体とし、一部落葉樹もとり入れた樹木の植栽を行い、周辺の自然環境との調和に十分配慮いたします。
 また、発電所前面には高木の常緑樹による修景緑化を行います。
5 石炭灰の処理については、最近、種々の再生品が新規に開発されていることも考慮し、極力、有効利用を行い、灰処分場の延命化を図ること。 5 石炭灰につきましては、セメントに有効利用を行うことにしており、今後も引き取り量の拡大に努め、灰処分場の延命化を図ります。
 なお、セメント以外の有効利用につきましては、その開発状況に応じ、考慮してまいります。
6 工事中については、粉じん、濁水、騒音および振動の発生により環境保全上支障が生じないよう、工事の平準化を図るなど適切な対策を講ずること。 6 工事の実施に当たりましては、下記の対策を講じます。
 ・ 粉じん対策については、適宜散水等を行い、砂じんの飛散防止に努めます。
 ・ 水質汚濁防止対策については、陸上部は仮設排水処理装置を設置し、福井県公害防止条例の排水基準以下に処理して排出いたします。また、海域は、必要に応じ施工場所の周囲に汚濁拡散防止膜を展張いたします。
 ・ 騒音及び振動防止対策については、低騒音型、低振動型の機械を選定いたします。
 以上のほか、適宜、測定、監視を行い、また、工事が集中しないよう極力工事の平準化を図り、環境保全上支障が生じないよう万全の対策を講じます。
7 灰処分場の工事に当たっては、地下水集水管を敷設するとともに、遮水シートおよび浸出水集水施設の破損等が生じないよう、施工管理に万全を期すこと。
 また、石炭灰の搬入および埋立に当たっては、石炭灰の飛散などにより環境保全上支障が生じないよう、適切な対策を講ずること。
7 灰処分場の造成に当たりましては、地下水集水管を敷設いたします。遮水シート及び浸出水集水施設の施工に当たりましては、「廃棄物最終処分場の設置および管理に関する指針」(福井県)等に基づき、施工管理に万全を期してまいります。
 灰処分場への搬入に当たりましては、適切な加湿等を行い専用のダンプトラックを使用して、石炭灰をシートで覆う等の対策を行います。埋立に当たりましては、適宜散水により加湿し、専用のブルドーザによる転圧及び逐次覆土を行い石炭灰の飛散を防止します。
8 2号機の運転開始前後における発生源および環境の監視については、準備書に記載のほか、次の事項について行うこと。
・ 煙道および周辺の大気環境における重金属等微量物質調査
・ 敦賀地域における酸性雨調査
・ 海域における仔アユおよび稚アユ調査
・ 1号機の追跡調査として実施した永久方形区における植生調査、ならびに特定地点およびメッシュ交点における樹木活力調査および土壌調査
・ 樹木伐採後の林縁部の植生調査
8 2号機の運転開始前後における発生源及び環境の監視につきましては、5章に記載した項目は確実に実施するほか、下記事項について調査いたします。
 ・ 重金属等微量物質については、煙道は、2号機運転開始後測定いたします。また、周辺の大気環境は、2号機運転開始前後に調査いたします。
 ・ 敦賀地域における酸性雨について、2号機運転開始前後に調査いたします。
 ・ 海域における仔アユ及び稚アユについては、2号磯の運転開始前後に調査いたします。
 ・ 1号機の追跡調査として実施した永久方形区における植生調査、並びに特定地点、メッシュ交点における樹木活力調査及び土壌調査について、2号機運転開始前後に追跡調査を実施いたします。
 ・ 既存林の伐採箇所については、伐採後の林縁部の保護に努めるとともに、植生の状況を調査いたします。
 なお、調査時期、調査頻度、調査地点、調査方法等の詳細内容につきましては、今後、協議させていただきます。
9 工事中および2号機の運転開始後において、予測し得なかった問題が生じた場合は、適切な措置を講ずること。 9 工事中及び2号機の運転開始後において、予測し得なかった問題が生じた場合は、関係機関と協議させていただき、適切な措置を講じてまいります。

事業概要 図書内容 調査予測評価内容 参考文献 審査意見・見解 経過

過去の実施事例へ戻る 環境影響評価支援情報システムメニューへ戻る