ラムサール条約に基づく登録湿地
若狭湾国定公園の名勝地として名高い三方五湖(久々子湖、日向湖、菅湖、水月湖及び三方湖の総称)は、はす川沿いにのびる三方断層と、北川沿いの熊川断層にはさまれた三遠三角地といわれる地域にあります。このあたりは、リアス式海岸で有名な若狭湾の中でも特に沈降の著しいところです。
五湖の水は、それぞれ含まれる塩分の濃度が異なり、それに応じて海水魚から淡水魚まで様々な魚類が生息しています。特に三方湖は、ハスとイチモンジタナゴの日本海側における唯一の自然分布域となっています。琵琶湖の魚類相と関連がうかがえることから、生物地理学的に興味深いものですが、最近の調査では確認できず、両種とも絶滅が危惧されています。
また、鳥獣保護区にも指定されている五湖の水域とその周辺は、動物達にとっても楽園となっています。冬には、1万羽近くの水鳥が越冬し、それらを補食するオオワシやオジロワシの姿も例年見られます。
このように、水鳥の重要な生息地であり、また、希少な生物の生息地となっている三方五湖は、平成17年11月8日に国際的に重要な湿地として、ラムサール条約に基づく登録湿地となりました。
[参考] 「ラムサール条約と登録湿地」 (環境省HPへのリンク)
日向湖(ひるがこ) | |
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人工開削による日向水道日本海と通じ、現在五湖の中で最も塩分濃度が高い塩水湖である。 | |
所在地 | 美浜町 |
湿地タイプ | 潟湖 |
面積 | 92ha |
標高 | 0m |
保護区指定 | 若狭湾国定第2種特別地域 県指定鳥獣保護区 |
久々子湖(くぐしこ) | |
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北岸は久々子、早瀬両集落のある砂州と飯切山とで囲まれた潟である。早瀬水道で海と通じていて、常に海水の流入がある。 | |
所在地 | 美浜町 |
湿地タイプ | 潟湖 |
面積 | 140ha |
標高 | 0m |
保護区指定 | 若狭湾国定公園第2種特別地域 県指定鳥獣保護区 |
水月湖(すいげつこ) | |
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五湖の中で最も大きい。菅湖以外にも、瀬戸水道で三方湖と、人工開削によってできた浦見川で久々子湖に通じる。 | |
所在地 | 若狭町 |
湿地タイプ | 潟湖 |
面積 | 416ha |
標高 | 0m |
保護区指定 | 若狭湾国定公園第2種特別地域 県指定鳥獣保護区 |
菅湖(すがこ) | |
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五湖中最小で、汽水湖。冬季の北西季節風の影響が少ない地形であるため、水鳥が多く飛来する。 | |
所在地 | 若狭町 |
湿地タイプ | 潟湖 |
面積 | 91ha |
標高 | 0m |
保護区指定 | 若狭湾国定公園第2種特別地域 県指定鳥獣保護区特別保護地区 |
三方湖(みかたこ) | |
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五湖の中で最も南に位置する唯一の淡水湖。はす川、別所川、観音川より、常時大量の水が流入する。 | |
所在地 | 若狭町 |
湿地タイプ | 淡水湖沼 |
面積 | 356ha |
標高 | 0m |
保護区指定 | 若狭湾国定公園第2種特別地域 県指定鳥獣保護区 |