福井県海岸におけるオオミズナギドリの死体漂着について


 本県の海岸において、オオミズナギドリの死体の漂着が多数確認されておりますので、その現状等についてお知らせいたします。

  1. 3月10日に、若狭湾沿岸の海岸にオオミズナギドリの複数の死体が、漂着していることが発見された。

  2. 福井県海浜自然センターおよび福井県自然保護センターが、三方町教育委員会、日本野鳥の会福井県支部等の協力を得て、県下の海岸において、漂着状況調査を実施した結果、21日までに死体の漂着は小浜市、三方町、美浜町、敦賀市、越廼村、福井市、三国町の海岸で確認された。
    漂着地点の分布図
    確認された漂着数の合計は、21日までに462羽となっている。

  3. 漂着しているのはほとんどがオオミズナギドリであるが、その他の種(シロエリオオハム、アビ、ミツユビカモメ等)もそれぞれ1〜6羽程度確認されている。

  4. 毎年、数羽程度の死体の漂着は、地元漁業関係者によると確認されているが、これほど、まとまった数の漂着は、近年、本県では記録がない。

  5. また、これまでにわかったところでは、日本海沿岸の山口県、兵庫県、京都府、石川県でも、オオミズナギドリの死体の漂着が確認されている。

  6. 死因については、現時点で確定はできないが、以下の点から、餓死であると推定される。

    • ミズナギドリ類の集団死亡の例が、過去に何例か太平洋岸で記録されているが、その原因は餓死とされていること

    • 漂着個体をサンプリングし、県自然保護センターにおいて体重等の計測を実施した結果、胸筋の明らかな減少が見られるとともに、既知のオオミズナギドリの平均的な体重と比較しても、100g以上の明らかな体重減少が確認されたこと

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10.オオミズナギドリCalonectris leucomelas ミズナギドリ目ミズナギドリ科
(英名)White- faced Shearwater
 日本近海に分布し,京都府の冠島は繁殖地として有名である.本県では,主に渡りの時期に観察され,秋期には南下する,その年生まれの幼鳥が落下して,特に嶺南地方で保護される.
周年,海洋に生息し,内陸へは迷行してくる.
群れとなって波頭をすり抜けるように飛ぶ.

平成13年3月23日
自然保護課