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名 称 |
小浜海浜公園の地形・地質 | ||
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学 名 |
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分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
小浜市:青井[父子海岸](1060,1061,1074,1075) | ||
選定理由 |
希少な鉱物・岩石を産出する地点 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
小浜市街の沖積低地の西に発達する青井の海岸線は父子海岸と呼ばれており,砂浜海岸から岩浜海岸に変化する.この父子海岸から国道27 号線に達するまでの海岸線はパ−ルラインと呼ばれ,小浜湾の中でも特に雄大で美しい景観を誇っている所である.父子海岸の岩相は,西方から,砂岩,頁岩,チャ−ト(チャ−ト内に緑色岩のレンズ)そして,緑色岩とチャ−トの互層,緑色岩と石灰岩の互層,頁岩のレンズ,緑色岩と石灰岩等が頻繁に繰り返して,厚い緑色岩と砂岩で終わる.チャ−トは層状で,時々緑色岩をレンズ状に挟んでいるが,やがて頁岩と薄い互層をなして緑色岩に移っていく.緑色岩は凝灰岩類が主体で石灰岩と互層をなすが,いわゆるメランジェ岩(混在岩)相で石灰岩や緑色岩,頁岩が粘土のように曲がった紋様を示す.地層の傾斜は,見かけ上,北向きの同斜構造をなしている.石灰岩はほとんど結晶化しているが,その結晶質の部分に浮き出たような状態でフズリナや藻類さらには海百合の化石が産出し,フズリナ化石では,Pseudofusulina sp .,Parafusulina sp .やNeoschwagerina sp .などが確認されている.これらのフズリナ化石帯は古生代二畳紀中期のものである.上記のような岩相が高さ20m 以上の海食崖や海食洞穴さらには岩礁を形成している.この地域は小浜市の市街地として,市民の散策や憩いの場となっている.海浜公園としての価値も高く,優れた景勝地でもあり,ここを訪れる県内外からの観光客も多い.現在も海浜公園として一部が整備されているが,自然を改変することなく保全するべき地域である. | ||
保護の現状 と留意点 |
小浜市が海浜公園として現地に遊歩道や見晴らし台を設置し,夏季の海水浴場としての適地であるだけでなく,四季を通じて釣りや散策の適地である.また,地形・地質の上でも侵食崖を始めとして,見事な混在岩の地層が観察できる所である.市街地域内に存在する貴重な自然であるので保全対策も十分講じていく必要がある.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |