福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 三十三間山と準平原山地
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
若狭町(旧三方町):倉見,成願寺(955)
選定理由 希少な鉱物・岩石を産出する地点,地形形成史から見て典型的な地形
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  標高842m の三十三間山の由来は,過去に京都三十三間堂の建立に当たって,この地より材木を運んだところから,この山地の名が付けられたと言われている.若狭湾を眺望する山々は若狭地方に数あるけれども,三十三間山からの展望は素晴らしい.若狭湾を始め,丹後半島さらには琵琶湖まで見える.山頂は,準平原状であり,北から南に向かって,ゆるやかに下がり,見かけ上二段の平坦面を形成している.準平原面上は,ササの群落に覆われ,灌木や他の木本は皆無である.登山道は,倉見集落経由であるが,中・古生層の砂岩や頁岩類を主体として,チャ−トや緑色岩がしばしば介在する.良く整備された登山道に露出する風化岩は淡灰色をなし,千枚岩化している.準平原面上には,小塊状の砂岩の転石があって,北側山稜に部分的には赤色土壌帯が存在する.この山地は,三方断層と耳川断層に挟まれた地塁と見なされ,この地域の山稜としては例外的な準平原面を残している.
保護の現状
 と留意点
 上記したように,若狭湾の眺望地点としては最高の山稜で,平坦面の美しさも格別であり,標高もおよそ800m であり,ハイキングや登山に手頃であるだけでなく,自然の満喫もできる.早春には,山稜付近に「めたけ」の竹の子が一面に繁茂している.平坦面の一部に人為的な手が入っているが,今後この自然を保護することは重要である.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)