福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 金ヶ崎の石灰岩と地形
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
敦賀市:金ケ崎(805,833)
選定理由 希少な鉱物・岩石を産出する地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  敦賀セメントの石灰岩鉱床は,県内唯一露天掘りを主体とした鉱床採掘を行っていたが,現在ではセメント原料の石灰石もほとんど掘り尽くしている.石灰岩は,南西−北東に延び北傾斜をなしているがレンズ状であり,両側に向かって急速に厚さを減衰していく.石灰岩鉱床の南側に当たる金ケ崎岬とその周辺山地は,歴史上の重要な遺跡や,敦賀湾を眺望できる景勝地である.石灰岩鉱床の南に残された“月見御殿”の遺跡周辺に,極めて小規模ではあるが石灰岩地形を特徴つける“ポ−ル”が見られる.本石灰岩に含まれる化石の層序学的研究により,フズリナ化石では古生代石炭紀後期のFusulinella sp .Triticites sp .等から,二畳紀後期のNeoschwagerina sp .Yabeina sp .等の存在が確認されている.この石灰岩帯の北側には,石灰岩の小レンズがいくつも存在し,フズリナ帯の化石として,Parafusulina sp .Pseudoschwagerina sp .が産出する.また,近くのチャ−トから放散虫化石も発見されている.
保護の現状
 と留意点
 現在敦賀湾周辺は大きく改変されつつある.今以上の改変には,より慎重に対応する必要がある.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)