福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
[先頭ページ] [前のページ] [次のページ]
名   称 河野村具谷のジュラ紀頁岩・三畳紀チャート・二畳期チャート
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
南越前町(旧河野村):具谷,河内(757)
選定理由 特異な地質構造が見られる地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  南条山地の二畳紀放散虫は春日野相と呼ばれる混在岩相から見つかっている.河野村具谷から河内に向かう林道沿い(132 の北側の点)では,二畳紀放散虫を含むチャートとジュラ紀放散虫を含む頁岩とが接している.従来の見解に従うと,この地点を春日野相と今庄相(整然相)との境界が通っていることになる.このように南条山地で異なる層相や年代が一つの露頭で確認できる地点は希であり,南条山地の発達史を考える上で貴重である.すなわち,この露頭の存在は,春日野相の南限がこの地点にあることを示すだけでなく,春日野相と今庄相との構造関係を示唆する.上記露頭のさらに南側(河野村具谷から河内に向かう林道の河内に近い地点)の露頭(132 の南側の点)では,ジュラ紀黒色頁岩の上に三畳紀層状チャートが乗り上げている.この関係は地質学的には衝上断層といわれるものであり,美濃帯の地質構造を解明する上で重要な事実を提供する.すなわち,美濃帯(南条山地)には二畳紀,三畳紀,ジュラ紀の地層が分布し,それらは多くの場合断層,特に衝上断層で接すると推測されてきたが,その事実が確認できる数少ない露頭である.このように,この地点だけで,ジュラ紀頁岩,三畳紀チャート,二畳紀チャートの相互関係が確認できる貴重なルートである.
保護の現状
 と留意点
 露頭自体が一般の利用の少ない林道沿いにあるので問題ないと思われるが,吹き付け等を避けることが望まれる.


 (図上のNO.132ポイント)


(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)