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名 称 |
河野村矢良巣岳南斜面の礫岩と食い違い石 | ||
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学 名 |
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分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
南越前町(旧河野村):矢良巣岳南斜面(795) | ||
選定理由 |
特異な地質構造が見られる地点 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
矢良巣岳から河野村糠に向かう林道沿いに露出する露頭では,南条山地中生層,矢良巣岳礫岩,西谷流紋岩の三者が明瞭な不整合関係で接している.このうち,矢良巣岳礫岩にはチャートや正珪岩などの円礫が多数含まれている.礫には小断層が発達し,礫自体が食い違っている.食い違い石が露出している点のみならず,不整合面が観察できる点でも重要である.この礫岩の基質は花崗岩質であり,礫として,上記のチャートや正珪岩以外にまれに西谷流紋岩や砂岩が含まれている.チャート礫からは三畳紀放散虫が得られている.しかし,礫岩の基盤である南条山地を構成している緑色岩や砂岩,頁岩はほとんど認められない.この礫岩は最近詳細に研究され,礫の供給源として日本海形成以前の大陸地域に求められる可能性が指摘されている.食い違い石とは,子抱え石とも呼ばれ,個々の礫の中に割れ目(小断層)が発達しているにもかかわらず,離れずにくっついており,あたかも親が子供を抱えているように見える礫をいい,本邦でも希にしか出現しない.今のところ,県内で知られている食い違い石は,この地点のみである.破断し,ずれているにもかかわらずなぜそのまま再結合したのか,そのメカニズムには不明なところが多い. | ||
保護の現状 と留意点 |
矢良巣岳の南斜面の矢良巣岳から河野村海岸へ下る林道沿いに露出している.吹き付け等がなされなければ問題はない.露頭の風化が著しいので,崩れかけている.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |