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名 称 |
越前海岸厨の海成段丘 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
− | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
越前町(旧越前町):厨(882,883,909,910) | ||
選定理由 |
地形形成史から見て典型的な地形 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
海成段丘は海食作用および堆積作用によって海面付近に形成された平坦面が,海水準の低下や陸の隆起により離水し,海岸沿いの平地として分布する地形である.越前海岸沿いには断続的にみごとな海成段丘が発達している.特に厨(くりや)付近は数段の海成段丘が区分でき,越前海岸の隆起運動を明らかにする上で,重要な地点となっている.この付近の段丘面を構成する堆積層の厚さは比較的薄く,通常,波食を受けた基盤岩の上に厚さ数m 以下の円磨された礫層や分級の良い砂層,泥質層が重なっている.一部では堆積層はみられず,基盤岩が段丘面上に露出している.また山側ではこれらを崖錐性堆積物が覆っていることも多い.海成段丘は大きく高位,中位,低位に区分されるが,越前海岸の高さ数10m 〜100m 付近に発達する段丘は中位段丘に相当する.中位段丘はさらに高位よりM1 ,M2 ,M3 段丘に細分でき,その形成年代は各々約12.5 万年前,約10 万年前,約8 万年前と推定されている.厨付近の各段丘高度はM1 段丘では88m ,M2 段丘では54 〜65m ,M3 では40 〜42m であり,この付近の隆起速度は1,000 年当たり0.6 〜0.8m と求められている. | ||
保護の現状 と留意点 |
越前海岸のなかで,最も典型的に海岸段丘が発達しているところである.丹生山地の変動を知る一つの手がかりとなる海岸段丘の保全は重要と考えられる.また優れた景観を提供しているので,あまり人工改変しないことが望まれる.段丘面上の土地利用の工夫が今後重要と思われる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |