| |||
| |||
名 称 |
小曽原火山灰と織田火山灰 | ||
---|---|---|---|
学 名 |
− | ||
分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
− | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
越前町(旧織田町):下河原(825) | ||
選定理由 |
その他地質学的に貴重な地点 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
従来高位段丘堆積物中に含まれていると考えられていた小曽原火山灰層と織田火山灰層を含む堆積物が中位段丘を被覆する新期の堆積物であることが明らかになった.また,この二枚の火山灰層を記載岩石学的な見地から再検討した結果,前者は大山倉吉軽石層(DKP ),後者が姶良(あいら)Tn 火山灰層(AT )に同定されることが明らかになった.小曽原火山灰層は,厚さ約20 pの黄燈色の降下テフラで,平均最大粒径1 〜2 oの軽石は極めて発泡がよく粒形は保持しているが,火山ガラスは粘土化しており,斜方輝石や緑色角閃石の斑晶が目立つ.斜方輝石は,(100 )面の良く発達した清澄な短冊状をなす.屈折率はγ=1.702- 1.708 を示す.また,斑晶として最も多い緑色角閃石の屈折率はn2=1.673- 1.680 を示す.織田火山灰層は,ガラス質の火山灰層で有色鉱物の斑晶は少ない.火山ガラスは,平均最大粒径0.5 〜0.6 o,無色透明のバブル・ウォール型で,屈折率は,n=1.499- 1.501 (モード1.499-1.500 )の極めて狭い範囲内に分布する.また,火山ガラスが付着し本質物質と見られる微細な斜方輝石がわずかに含まれる.この屈折率を測定したところ極めて類例の少ないγ=1.732 ±の値が得られた. | ||
保護の現状 と留意点 |
現在,小曽原火山灰層は5 地点から,織田火山灰層は2 地点から見出されているが,これらの中で織田中学校の敷地内から見出されたものは教材としての価値も高く,今後露頭整備を行い,広く生徒の教材として利用されることが望まれる.
| ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |