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名 称 |
足羽山の笏谷石(火山礫凝灰岩) | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
− | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
福井市:足羽山西部(589) | ||
選定理由 |
特異な地質構造が見られる地点,その他地質学的に貴重な地点 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
足羽山においては,新生代新第三紀中新世の糸生累層の火山岩部層が連続的に露出している.特に,笏谷石の石材名で知られる凝灰岩をはじめとする多様な火山砕屑岩類の発達が顕著である.足羽山の墓地付近には典型的な火砕流堆積物である溶結凝灰岩が分布する.笏谷石とは足羽山の大部分を構成する岩石であり,岩石学的には火山礫凝灰岩に分類される.今から約1,700 万年前(新生代第三紀中新世前期)の火山活動によって噴出した火山砕屑物が固結した岩石である.笏谷石の岩石学的特徴は,灰青緑色を呈し,比較的柔らかく,肉眼でも識別できる火山岩の岩片を多数含むことである.鏡下では,基質は凝灰質で,明瞭なガラス組織が残っている.斑晶としてしばしば1 o程に達する斜長石を含む.斜長石および基質の大部分は方解石によって置換されていることが多い.また,基質中に二次的に形成された緑泥石類が散在し,このために岩石全体が灰青緑色に見えるのであろう.笏谷石の名称は産地の昔の地名(現在は足羽4 丁目付近)に由来するらしい.かつては,足羽山西部を中心に露天堀により採掘され,日本全国に売り出されていた.現在では,足羽山の西側に当たる加茂河原の数ヶ所で,地下100m から採掘され,主に墓石や装飾用の石材として利用されている. | ||
保護の現状 と留意点 |
足羽山は市街地にある山なので,一部は風致地区や鳥獣保護区となっていたり,また福井市の天然記念物に指定されたギフチョウの生息地となっており,現状の改変には制約が設けられている.新鮮だった露頭も風化が進み,大きな亀裂が発達する場所も何ヶ所かある.かつての笏谷石の採掘跡を観光資源や教材として整備し,活用することが可能であろうが,安全対策面では,多大な配慮が不可欠である
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |