福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 福井市二ツ屋町の武周ヶ池
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
福井市:武周ケ池(二ツ屋町)(847,848,877,878)
選定理由 地形形成史から見て典型的な地形
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  福井市から越前海岸大味へ抜ける途中の風尾町から左に曲がり,山合いの道路を大味川に沿って約3km 行くと武周ケ池に到着する.武周ケ池は地辷りによる堰止め湖である.近年発電に利用するために堰止め部分がダムに改良されている.ダムの上部は平坦にされたが,ダムの下部の盛り土の部分は徐々に西側に低くなっており,地辷りの際にできた崩積土の斜面の形態(東に高く,西に低い)が思い起こされる.東側の斜面が崩壊し,西に向かって流れ,大味川を堰止めた.崩落場所は道路からは見えないが,地形図に残っている崩落地形から判断すると,道路より約150m 高いところから滑ったのであろう.地辷りに関するその言い伝えを記述した案内板がダムの横に設置されている.地質学的にはこの地域は中新世の凝灰岩質砂岩や泥岩が分布し,ほぼ大味川に沿う断層が推定されている.大味川に沿って侵食作用が活発であることを反映して,両岸は急斜面をなし,至る所に,小規模ながら,地辷りが発生している.
保護の現状
 と留意点
 現在のところ(1994 年),保全状態は良好である.アクセス道路も現在のままで十分である.池の成因や動植物などに関する案内板(周辺の環境にマッチしたもの)の設置が望まれる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)