福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 大安寺の貝化石
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
福井市:大安寺(660)
選定理由 古生物学的に重要な地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  福井市大安寺から貝化石が産出することは古くから知られている.化石が産出する地層は凝灰質な砂質泥岩であり,風化するとやや赤みを帯びる.この岩相は,バイオターベーション(生物による地層の堆積構造の破壊)が著しく,堆積構造は保存されていない.代表的な化石はカケハタアカガイ(Anadara Hataiarcakakehataensis )で片殻や両殻で数多く産出する.かつての報告では,Vicaryayokoyamai は産出しないと言われていたが今回の調査でVicarya yokoyamai も産出することが明らかとなった.これらの他,代表的なものとしては,オキシジミ(Cyclina japonica ),イズモユキノハシタ(Cultellus izumoensis ),フスマガイ(Clementia papyracea )などの二枚貝化石がほぼ現地性の産状で産出するほか,ノトビカリエラ(Vicaryella notoensis )なども産出する.
保護の現状
 と留意点
 この露頭は風化が進んでおり,化石の保存は必ずしも良好とはいえない.しかし,福井市内から最も近い貝化石産地であり教材としても重要である.ぜひ,将来にわたり保護していく必要のある露頭と考えられる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)