福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 三里浜砂丘
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
福井市三国町:(696,697,698,699,735,736,737,738,776,777)
選定理由 地形形成史から見て典型的な地形
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  この砂丘は,長さ(南北)約10 q,幅(東西)約1.5 qあり,日本海側に見られる典型的な海岸砂丘の一つである.砂丘の南部では砂丘列は不明瞭であるが,北部では三列の砂丘列が明瞭に確認できる.この砂丘は沖積層を基盤として発達し,米納津・黒目付近では,三列の砂丘とその間に浅くて広い谷をつくっている.海岸側から,外列砂丘・中列砂丘・内列砂丘の順に形成されている.外列砂丘は,約7 qにわたり発達していたが,その大部分は福井臨海工業地帯の造成で改変された.中列砂丘は,標高30 〜40m で最も規模が大きく,その上に新保・米納津・黒目の各集落が発達している.内列砂丘は,約3 qにわたり発達するが,黒目付近で二列に分かれ米納津の南方で消滅する.この三里浜砂丘は,最初に,砂州・浜堤から始まった旧砂丘が形成されたが,その後一時砂丘の形成は中断され(縄文後期〜弥生期)旧期クロスナ層の発達をみた.その後再び砂丘の形成が始まり新期砂丘ができ,現在の砂丘となった.現在の汀線付近に長さ1 qほどに渡って,高さ最大2 〜3m の小崖があるが,これは砂丘が波浪によって侵食されつつあることを物語っている.このように海岸が痩せていく原因は不明であるが,九頭竜川から放出される砂泥が減少していることを意味している可能性もある.
保護の現状
 と留意点
 コンビナートの建設等により地形が大きく改変され,砂丘の面影が失われつつある.今以上の改変には慎重であらねばならない.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)