福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 今庄町大鶴目の緑色岩
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
南越前町(旧今庄町):大鶴目(570)
選定理由 その他地質学的に貴重な地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  今庄町大鶴目には厚い層状チャートと粗粒砂岩が分布する.これらは中生代の地層であり,今庄地域に広く分布する地層である.厚いチャートの東側に道路に沿って50m に渡り緑色岩が露出している.この地域のチャートの放散虫年代は三畳紀であり,その周囲の砂岩・頁岩はジュラ紀である.このような理由により,この緑色岩類は中生代であるという可能性がある.緑色岩は凝灰角礫岩状であり,風化により赤色化している.緑色岩は通常古生代の地層と考えられているので,この地点に古生代の地層が顔を出しているのか,あるいは中生代の緑色岩が存在するのか,不明であるが,美濃帯の地質構造発達史上重要な問題であり,今後の研究が待たれる.かつて,大鶴目川の上流には集落が存在したが,洪水により大被害を受け,今では,集落は姿を消した.現在は,大鶴目に露出しているチャートから工業用珪石の採石が行われているだけである.問題の緑色岩の露頭はこのチャートのすぐ東側に存在する.
保護の現状
 と留意点
 露頭の除去,モルタル吹き付け等はできるだけ避け,露頭を維持することが望まれる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)