福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
[先頭ページ] [前のページ] [次のページ]
名   称 南条町阿久和の二畳紀放散虫化石
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
南越前町(旧南条町):阿久和(604)
選定理由 古生物学的に重要な地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  南条山地に発達する層状チャートの多くが示す放散虫年代は三畳紀およびジュラ紀前期である.南条町阿久和集落付近には,美濃帯に属する南条山地における二畳紀放散虫化石を産出する数少ない露頭の一つがある.ここに分布する二畳紀の放散虫化石を含む岩石は,やや灰青緑色を呈する層状チャートである.野外調査により,このチャートはジュラ紀頁岩基質中の巨大な異地性岩塊であるとみなされている.このチャートより産出する放散虫化石は,Pseudoalbaillella simplex ,Pseudoalbaillella U-forma などであり,これらは今から約2 億5000 万年前(古生代二畳紀後期)の地質時代を示す.この近くには二畳紀の石灰岩や緑色岩も散在し,南条山地の混在岩相(春日野相)の典型的組み合わせが分布している.南条山地で初めて二畳紀放散虫が確認された地点である.
保護の現状
 と留意点
 露頭は小さく,露出はよくないが,福井県の二畳紀放散虫化石を産する露頭は少ないので,是非残してほしい.前回調査以降人為的な改変はない.チャートは硬く,風化しにくいので,吹き付けや,大きな改変をしない限り,現状のままで保存できるであろう.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)