福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
[先頭ページ] [前のページ] [次のページ]
名   称 日野山東の二畳紀放散虫化石産地
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
南越前町(旧南条町):牧谷(565)
選定理由 古生物学的に重要な地点
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  日野山から岩木山かけての南斜面の地質は従来東俣層に属するのではないかと推測されてきた.年代を指示する化石を産出しないため,その正確な地質年代は不明であった.最近,この地点の砕屑岩から二畳紀放散虫が見つかった.それらは比較的保存良好なFollicucullus 属などであった.同じ層相と化石種,および年代を示す地質体は若狭地域の丹波帯の北側に認められている超丹波帯である.この比較が正しいとすると,超丹波帯の東方延長部がこの地点に出現している可能性がある.すなわち,南条山地での超丹波帯相当地質体は,西から東に向かって,越前町高佐の海岸(125 ),武生市妙法寺山南斜面,池田町の東俣層と断続的に分布している可能性が高い.この地点では,石灰質砂岩や凝灰岩質砂岩,緑色砂岩など,南条山地では特異な岩石が露出している.全体の地層の堆積環境は,浅海であったと推定される.
保護の現状
 と留意点
 日野山の南斜面の林道沿いに露出しているので,当面失われる心配はない.


 (図上のNO.71ポイント)


(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)