福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 今立町の足羽累層礫岩
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
今立町:不老(562)
選定理由 希少な鉱物・岩石を産出する地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  チャートの円礫を主体とした礫岩である.この礫岩のマトリックスは粗粒砂岩であり,その中に礫径10 p未満の円礫が散らばっている.マトリックスと礫岩の量比はおおよそ1 :1 である.赤色チャートや緑色チャートの円礫からは三畳紀放散虫が抽出される.この近くにはチャート礫の供給源となる地層が分布しておらず,日野川の上流の南条山地から供給された可能性が強い.この礫岩の層位学的位置づけははっきりしていない.今のところ,足羽累層(白亜紀末)に関係深いと考えられているが,今回の調査により,この礫岩の近くに西谷流紋岩と思われる赤紫色の石英安山岩が分布すること,チャート円礫を主体とする礫岩であること,などが判明したので,最近河野村矢良巣岳南斜面で見つかった,同様な性格を持つ矢良巣岳礫岩(130 )に対比される可能性もある.その場合,地質年代は中新世最初期となる.露頭が小さく,孤立しているので,詳細は不明であり,今後の研究が待たれる.
保護の現状
 と留意点
 道路沿いにある露頭であるが,できるだけ吹き付け等を避け,露頭を維持することが望まれる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)